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アーカイブ: 2009/03
第4回我々は、もう戻れないところまで来てしまった。~春画編~
- 2009.03.07 Saturday
- 俺と貴様の男尻まつり
(担当:斉藤けなげ)
さて、みなさん。お待ちかねの春画の時間ですよー。
怒涛の3連発で行くから、振り落とされないようについてきてね。
その1.新時代の到来 ~「便宜上の尻」からの卒業~
作品No.008『歌満くら』第五図 喜多川歌麿

この作品のポイントは「毛」ね。あふるる毛の作品。
ねえ見て。「浮世絵」という影をまったくつけない手法にあっても、尻ホッペのえぐれがあるわ! すごい描写力。
春画の画集を見ていて「いいな」って思うのは、エロいのに後ろ暗くないところよね。
描いてる本人たちも、ちょっと笑かそうって気がある。
よく見て。……肛門の後ろにまで毛が巡ってる。

しかも肛門までばっちり描かれてる!
この描写の細かさもまた、歌麿クオリティよ。
毛を描写するって、今までになかったわよね。
そう、この絵こそ「便宜上の尻」から脱却し、一歩「踏み込んだ尻」の時代の到来を告げる象徴的な1枚なのよ!
この作品を見ていると「毛は決して恥じるべきものじゃないぞ」という我々の主張を裏付けてくれているようで、とても心強いわね。
歌麿はきっと、毛で江戸時代を切り抜けたのよ。
「毛で駆け抜けた歌麿の青春」ってわけね。
……どーいうわけじゃ!
その2.尻にみる笑いの分岐点 ~その昔、尻は確かに喋っていた。~
作品No.009鳶火消しと人妻 ※作者およびタイトル不詳

お次は、死んだ亭主の墓の前で若後家さんとお坊主さんが、あ~れ~という1枚。非常に背徳的。
墓の前なの? で、クサイクサイ?
まあまあ見ちゃうわよね。だって「クサイ」って確かに書いてあるもの。

この「クサイ」について、けなげはどう分析する?
二通り考えられると思うの。「尻=クサイ」っていう一般論と、「この坊主の尻が特別クサイ」って線。
この放射線をフキダシと考えるならば、完全に肛門が言ってるわけだけど。
また漫画の技法!(※第3回参照) 随分と笑かしにかかってるわね。
エロいことと、おもしろいことの間に差がなかったっていうのは、つくづくいい時代よね。
あんまりシリアスにエロいと、人間よからぬ方向に向かってしまう。
こじらせると失楽園みたいなことになるから。

↑最終的に裸で草原を駆け抜ける中年男女。
エロを突き詰めていくと、ああいうことになっちゃうっていうのは悲惨的じゃない?
尻における笑いの分岐点を見ているようね。
尻がクサイと言えた時代。尻の口が聞けた時代。
屁で愛を語らったのかもしれないわよね。

その3.訪れた悲劇 ~ゆとり教育の弊害~
作品No.010『女艶色教訓鑑』第二十四図 速水春暁斎

いよいよ最後の1枚よ。これは鳶火消しと人妻。お祭り中の危険な情事。
男が相当美形に描かれてるわね。女の顔なんて、おざなりなのに。
そしてもうひとつ着目すべきは、やっぱり褌じゃない?

↑ドット柄の赤フンよ。
……褌ってずらして致すのがスタンダードなのかしら?
パンストをわざと破く、みたいな感覚じゃない? 褌を描きたいがために、わざとずらしたんじゃないかしら。
こうやって見てあらためて思うのは、つくづく尻って無防備ってことよね。
「固定する」って役割は確かに果たしているけれど……。
褌の布を広げて、覆うって選択肢はなかったのかしら?
でもホラ、私たちにとって褌は十分すぎるほど有意義な存在よ。だって尻肌を見せることは、「見られてる!」って緊張感でヒップアップにつながるもの。
褌をしていた時代の方がいい尻だったってわけね!
!! もしかして私たち、生まれる時代を間違えた!?
(ガクリと首を垂れ、うなだれるふたり)
(むくりと顔を上げ、おもむろに語りだす)褌⇒ブリーフ⇒トランクスって、どんどん尻に甘くなっているわね。現代は「尻のゆとり教育」よ!
尻偏差値がどんどん下がってる!
あぁ! なんてことっ!!
腐った男尻界の現状を目の当たりにし、激しくショックを受けるふたり。
このままでは男尻はどんどんダメになる。
「私 た ち が 何 と か し な く て は !」
……そう、今こそ男尻界も「チェンジ!」の時なのだ。

使命感に燃える轟子とけなげ。
はやる気持を抑えて、次号・最終回では今回とり上げた作品の中から
ベスト オブ 男尻を発表します!
追記:
2月28日更新のはずの第4回が、どうして今日更新されているかって…
それはあなたのご家庭のパソコンの具合が悪かったわけでも何でもなく、
私が落とし落として落としまくった結果、周回遅れになってしまったからに他なりません。
関係者ならびに(まだ見ぬ)男尻ファンの皆さま、この場を借りてごめんなさい。
さて、みなさん。お待ちかねの春画の時間ですよー。
怒涛の3連発で行くから、振り落とされないようについてきてね。
春画
江戸時代に流行した性風俗を描いた浮世絵。お侍さんたちの「オカズ本」。写実的というよりも性器を大写しにした、極めてロコツなものが多く、そのアクロバティックさからか別名「笑い絵」とも呼ばれる。
その1.新時代の到来 ~「便宜上の尻」からの卒業~
作品No.008『歌満くら』第五図 喜多川歌麿














……どーいうわけじゃ!
その2.尻にみる笑いの分岐点 ~その昔、尻は確かに喋っていた。~
作品No.009鳶火消しと人妻 ※作者およびタイトル不詳





この「クサイ」について、けなげはどう分析する?







↑最終的に裸で草原を駆け抜ける中年男女。





その3.訪れた悲劇 ~ゆとり教育の弊害~
作品No.010『女艶色教訓鑑』第二十四図 速水春暁斎





↑ドット柄の赤フンよ。








(ガクリと首を垂れ、うなだれるふたり)



腐った男尻界の現状を目の当たりにし、激しくショックを受けるふたり。
このままでは男尻はどんどんダメになる。
「私 た ち が 何 と か し な く て は !」
……そう、今こそ男尻界も「チェンジ!」の時なのだ。

使命感に燃える轟子とけなげ。
はやる気持を抑えて、次号・最終回では今回とり上げた作品の中から
ベスト オブ 男尻を発表します!
追記:
2月28日更新のはずの第4回が、どうして今日更新されているかって…
それはあなたのご家庭のパソコンの具合が悪かったわけでも何でもなく、
私が落とし落として落としまくった結果、周回遅れになってしまったからに他なりません。
関係者ならびに(まだ見ぬ)男尻ファンの皆さま、この場を借りてごめんなさい。
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