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デリカシーの機微が問われる現代社会のさまざまな局面に、ぼんやりと警鐘を鳴らす無神経なコラム。

アーカイブ: 2010/08/30

第04回「シロスジフクダカミキリ」

福田の蜻蛉日記~すばらしきバグズライフ~
第04回「シロスジフクダカミキリ」



【某月某日】

二足歩行のみなさん、こんにちは。
相変わらずの暑さに、冷凍庫で冷やした虫ゼリー
くらいしか食べる気がしない福田です。

更新が一週間空いてしまいましたが、これは別に
私の身の上に何らかの変化(脱皮とか羽化とか変態とか)が
起きていたわけではないので、ご心配なく。

ちょっとね、瀬戸内の島々に行って3日間ばかし羽を休めてました。
あ、「羽を休めてた」ってのは俺の場合、文字通りの意味だから。
こういうの、今日から「虫レトリック」って呼ぶからよろしく。

羽ばたいての移動、虫的にコレ、マジで疲れるのね。
だって考えてみてよ。ハチやカナブンの羽音ってすごいでしょ。
普通に考えて、あんな小さな体からあんな音させたら、背中がもげますって。

何の気なしに飛んでいるように見えて、あれみんな目を血走らせてるからね?
全員が全員、エスパー伊東や江頭2:50のような「りきみ方」を普段使いしてるんだもの。
そりゃあ、寿命も短くなるよ。

寿命が短くなるといえば、『24時間テレビ』で
マラソンをしていたはるな愛の寿命が縮んでいないか心配だ。
体作りや練習もそこそこに走らされて、あれじゃあ背中がもげますって。

あの番組は、ほんとに相変わらず観ていて虫酸が走るなあ。
虫酸マラソンだなあ(←あ、これが虫レトリックね)。

…いや、わかってるのよ?
今さら24時間テレビの偽善や欺瞞性を批判して
みせたところで、何の新しさも面白みもないってことは。
むしろ、さも鬼の首をとったように批判する価値すらないと思う。

だってあれ、やってることは『はじめてのおつかい』と一緒だもの。
知恵も体力もない子供がけなげに買い物をする姿は、
そりゃあ愛らしいし、いじらしいし、感動的だし、
それを観て泣くのは人間として自然な反応だとも思う。
でも、それは単に「バラエティ番組としてよくできている」ということだ。

同じことをハンデや悲運を背負った人にやらせることで、
単なる「番組の手法」を、さも「乗り越えるべき人生の試練」
であるかのようにすりかえるのは、なんというか、その、
虫が良すぎるのではないか(言っちゃったーーー!)。

そうそう。
何かに似てると思ったら、『24時間テレビ』って
虫同士を戦わせる企画モノDVDに似てるんだ。
カブトムシとオオムカデを戦わせたりさあ、確かにおもしろいけど、
それ、お前が無理やりセッティングしたマッチじゃん。

ま、そういう我われだって、
自分で掘ったドツボにはまっておきながら
「どうして私、うまくいかないんだろ…」とか
非運ぶっちゃう生き物ですからね。

人間は、自ら喜んでハンデを背負っては、
毎日、自分だけの『24時間テレビ』を
演じているだけなのかもしれない。

澱のように淀んだ現代人の心にとって、
それがけなげな「どぶサライ」の方法なのだ。

うーん、うますぎて背中がもげますって!


kagero_04
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