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アーカイブ: 2009/08

Vol.11 アララの呪文

※注・このコラムは、音楽への愛も知識もない筆者が、まったくのあてずっぽうで書いた、妄想によるJポップ批評です。



今回のお題
『ちびまる子ちゃん』エンディングテーマ




fuck_vol.11.jpg


日曜夕方、テレビ見ながら号泣する理由


勝負に負けた、受験に失敗した、仕事が終わらない、
恋人とケンカした、友達に誤解された、
私は些細なことで、とにかくよく泣く。

だからと言って、年中ビービー泣いているかというと、そういうわけでもなく、
理由は自分の思うように物事がうまくいかなかったときに限定されており
それ以外のことでは滅多に泣かない。

例えば、いい映画を観たとき、素晴らしい本に出会ったとき、
素敵な演奏を聞いたときなど感動したからと言っても、
ほとんど泣かずにケロリとしている性質だ。

そんな私を毎週のように、ワケもなくワンワン泣きたい気分にさせる曲がこれだ。
私はかねてより、ちびまる子ちゃんの子供にあるまじき無精さ加減、
脱力感が大好きで、ほとんど欠かさずアニメを見ている。
そのエンディングに泣かされるのだ。

まるちゃんと、なぜか爆笑問題扮する爆チュー問題が歌うこの曲は
アニメの原作者である、さくらももこが作詞を手がけている。
(作曲はなぜか岡本真夜。なぜだ!?)

曲の内容は大まかに言ってこうだ。


“ヘコむことも、失敗することもあるけど、
ま~、変な呪文でも考えて唱えておけばやり過ごせるんじゃない?“


とりわけ私が好きなフレーズはこちら。


何かで つまづいたり
立ち直れ なかったり
いろんな 事がある 人生だから

それはそれなりでも いいのさ
ケセラセラセラセラリンコ


子供を素直で粘り強く育てるための
ある意味、洗脳ツール的なアニメのテーマソングで
「つまづいたり、立ち直れないことがあっても、それはそれなりでいい」
と言い切ってしまう潔さ。
これはかなり挑発的な行為ではなかろうか。

大人になれば、自分がどんなにもがいても
行き詰ってしまうこともあるし、誠実であろうと思っていても
そうばかりはしていられない状況も多い。

売りたくもない高価な機材を、何度もしつこく通って
売りつけなければならないこともあるだろうし、
自分のせいで、他人に何日も徹夜を強いらなければならないこともある。

好きでもない人と一緒に、お酒を酌み交わしてヘラヘラ笑ったり、
お互いに何の有益にもならないような会話を延々続けなければならないこともある。

恋人との関係だって、うまくいかないからと言って地面に寝転んで、
ダダッ子みたいに泣きわめくことも許されない状況もあるし、
修復することもできずに、終わっていく様子を呆然と見守らなければならない
時だってある。

その“仕方なさ”や“やるせなさ”を
まるちゃんという小学3年生の女の子が、擁護してくれているようで
心の重荷がひとつおりるような心持がする。


日曜の夕方という時間帯も相まって、私はこの曲を聞きながら
1週間の仕方なかったこと、やりきれなかったことをフラッシュバックさせ、
「ケセラセラ」だな、と自分を納得させている。

ああ、大人になるってタイヘン。



<<本日のpick up フレーズ>>
時には 間違えたり
叱られて しまったり
いろんな 事がある 人生だけど

それはそれなりでも いいのさ
ケセラ セラセラセラリンコ
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