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(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説(新しいむかしばなし第4シリーズ)

(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説 第十一話(最終回)

シンデレラが部屋に入るために扉を開け、そこを白雪姫の面影乏しいなんか気持ち悪いの、が急襲する。

咄嗟に反応したシンデレラは、召使時代に暗闇での小動物への対応などで培ったその俊敏さで、毛むくじゃらで香ばしさと生臭さの同居したにおいを発するそいつの、うでぃおー、とか、めじゃれー、とか言いながらのタックルをぴゅいっと、かわす。

なぜかそのタイミングで再び、不自然に、扉は閉まる。

密室に二人。

タックルのどさくさにまぎれて部屋からの脱出をも考えていた白雪姫としては、もう何が何やらという感じで、ていうかこいつ綺麗な格好して腹立つんですけど、と、シンデレラを睨みつけ、そもそも二人で仲良くやっていこうなんて到底思えなかったし、なによりシンデレラ、かなりの臨戦態勢に入っていた。

シンデレラはシンデレラで、アドベンチャーの最中に不意に入った部屋でこんなのに襲われて、元々の育ちの悪さもあるし、おいそこのその汚い奴なんばしよっとね、という素直なむかつきもあり、結果的に、猛々しい眼差しでファイティングポーズをとるような、体の温まりきったファイターあとゴング待つだけ、という、そういうことに落ち着いていたのだ。

カーン。

なんか、鳴った。

女性同士のガチの喧嘩を実際に目の当たりにしたことのある人は分かるだろうが、最初に行われるのは大体が髪や服の引っ張り合いである。

引っ張り合ってなにがしかの優劣がついたところから、奇声を発しながら引っ掻いたり、マウントポジションから引っ掻いたり引っ掻かれたり、あとかじったりかじられたりかじられてもかじったり、あと引っ掻いたり―あれをキャットファイトと最初に命名した人は天才―まあ色々あって決着というのが、女子校の放課後に体育館の裏などで一年を通じて季節を問わずによく見られるタイプの女の決闘であり、今回のこれもそういう類のものだったと言っていい。

結果。

白雪姫、完膚なきまでにやられる。

今の見てくれはどうあれ、そもそもが姫である彼女はこうしたシビアな「争いごと」とは鋭く無縁だったわけで、それに引き換えシンデレラは今の容姿はどうあれ、そりゃもうウルトラハードな日々を送って来たのであって、そうした日常が育んできたたくましさには到底太刀打ちが出来なかったのである。

とうに消え入りそうな虫の息である白雪姫をちらりと見つつ、シンデレラは部屋を見渡す。

足元には白雪姫のものであろう糞尿が、既に床の木目などにまでみっちり染み付きこびりつき、元々は「白くてがらんどうの部屋」だったろうに、経年とはあなおそろしや、という狼狽を隠せない。

だだだだだだっだっだっだっだっだっだっだっだ。

何やら聞こえる。

だっだだだだっだっだどどどどどっどっどっどっどーーーーー

すごく聞こえる。

・・・・・・・

ピタッとやむ。

どん、ぎぃぃぃぃぃぃぃ。

扉が、勢い良くちょっと開く。

白雪姫の体が邪魔になって、扉の勢いが、死ぬ。

ざざざっと動く白雪姫の体。

いやでも視界に入る、賑やかな人々。

ぱぱかぱんぱんぱーん。

シタールが出せる最大限ファンキーな音。

陽気な顔をした派手な衣装を身にまとった、満面の笑みを浮かべた・・・・ま、じょ?

魔女だ。

あの魔女だ。

そう気づくや否や、魔女と目が合う。

シンデレラを視界にとらえその像が網膜に映し出され、脳にそれが伝わり認識した魔女の、顔はみるみると青ざめていく。

さっと視線を落とすと手元には何やら看板的な、そういうのを持っている。

魔女はそれを咄嗟に隠す。

ちょっと見えた範囲で、シンデレラは「ドッキ・・・成功」までは確認した。

リ、だろう。

隠れていた文字は「リ」だろうが。

魔女は引き連れた賑やかな人々と一緒に部屋に入ってきて、シンデレラ以外にもう一人、部屋にいることを確認する。

・・・・・・・・

いまは、もう、動かない。

そもそもが白雪姫が仕掛けてきた争いであり、さらに、先程の扉を開けた勢いでとどめをさされたのだろう。

だがそんな細かい状況は彼らには関係がない。

2年越しの監禁ドッキリ、というどだい無茶な企画がハッピーエンドで終わると思っていた彼らの思い込みの強さは、なかなかのものだ。

魔女「お、まえ」

シンデレラ「・・・」

魔女「台無し、じゃないか」

シンデレラ「・・・すいま、せん」

目の前でドッキリをかけ大成功を告げるはずだった白雪姫がボロボロの遺骸となり、その近くで軽傷は負っているが元気に佇んでいるシンデレラがいるという状況は、彼らにとっては実に、「十分」だった。

魔女「逃がさない、からな」

シンデレラ「・・・はい」

あの王子も苦く笑っていた。


・・・・・・・・・・・・・


少し時が経つ。

シンデレラ、とかつて呼ばれていたその女は、いつのまにか二人の娘を産んだ。

あれは誰の子なのか、と口にすることはタブーとなっていた。

城中の誰もが知っていたが城中の誰もが知らないことになっていた。

その娘の一人は生まれてすぐに城を追い出され、とある目の釣りあがった手厳しい継母の下に預けられた。

もう一人は、城で大事に大事に育てられた。

シンデレラ、とかつて呼ばれていた女は、いつのまにかコスプレを趣味とするようになり、若干の魔法とかもたしなみ、対外的には真っ白な部屋に閉じ込められつつも、一人っきりでもまあまあ楽しんで、何やら幻を見てはボソボソとしゃべるという日々を送っていた。

そんなでも、城に残した娘を可愛がっていたかつてシンデレラと呼ばれていた女だったが、ある日、とある決断をする。

とある決断・・・・・・・・・・・



あの娘の大好きなリンゴに毒を仕込みながら、メルヘンなカボチャの馬車をせっせと仕込みながら、一人ごちる魔女がそこにはいたのだった。

ひすとりー、りぴーつ、いっとせるふ


はい。




めでたしめでたしだね。





終わり
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(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説 第十話

地獄のような日々でした。


真っ白な部屋にぽつねんと一人。


すっかり閉じ込められてただやみくもに呆然とするだけ。


開かずの間、という言葉があるけれど、開かずの間は外側からだけじゃなくて内側からも開かなかったりするんだぞ、という所を是非とも主張したい私です。


こちら側にはドアノブすらないのです。


ただ壁に切れ目が入っている、扉の様なもの、がそこにはあるのです。

終わり。


かと思うけれど・・・


でもです。


しかしです。


部屋の中身をよく吟味してみれば隠し扉があったり、その奥は食料庫だったり、温い便座の水洗便所が完備されていたり、まあ生活するには困らないっちゃあ困らないそういう環境がとりあえずはあって、風呂はないんだけどね、えっとそのこれ、なんですかシェルターなんですか、と、聞きたくなるようなまあとにかくそういうのだったんです。


窓ひとつない真っ白なこの部屋で、とりあえず白雪姫に出来ることと言ったら脱出の方法を考えるというそれに尽きたわけですが、いかんせんなにかその糸口となるような、例えば鋭利な感じだったり鈍器チックなものであったりというのは、すべからく無くて、仕組まれたように無くて、となると、とりあえず食うには困らない(お風呂はなかったですけどね)この状況を生かして、自分がこの部屋に入って来た扉こそ、自分が外界にアプローチを図る最後の手段なのだろうと自らに言い聞かせながら、その策を練っておるのでした。


ただ。


姫ですから。


我慢強くはないのですから。


あまり色々と考えることに長けてはいないのでして。


扉の様なものの前でうとうとまったりまどろんでまどろんで、というような茫漠とした時間をただなんとなく過ごしていたら、結構な年月が経っていたのです。


チャンスが無かったわけではありません。


時折、何かの拍子にこの部屋に不意に迷い込んだ誰かが、扉を開けることは幾度かあったのですが、そういう時に限って白雪姫はカンパンだのアルファ米だのといった食よりも保存という機能が前に出た非常食をチビチビやっているのです。


ひぃぃぃぃとか


うぇぇぇぇとか


北斗の拳の雑魚キャラよろしく、白雪姫のおそらくは見てくれを視界にとらえ(だって風呂が・・・)、おののいて去っていくので、咄嗟にそちらに向かい、何とか脱出を試みるのですが、いつもいつでもすんでのところで、ダメなのでした。


その日は、何か狼煙めいたものが上がったような全然上がってないような、まあどっちかよく分からないというのが正直なところですがとにかく直観的にそう思って、ハナから扉の様なその前に、げへげへいいながら待ち構えていたのです。


・・・・


またいくらかの時が流れました。


狼煙なんて上がっていなかったのだ、と諦めることはたやすく何度もそう考えてもいたのですが、そうして諦めた途端にそこが開かれでもしたら、白雪姫はもういよいよもって再起不能に陥ってしまうと考え、それも出来ず、飲食せずとも糞尿まみれで(なぜだか糞も尿も留まるところを知らないのです)、やはりずっと待っていたのです。


・・・・・


・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?


遂に開きました。


そこにはうら若き、なにか美しさをかさに着たようなそういう忌々しいタイプの女がやや驚いた表情で立っておりました。


別段、その女に恨みがあったわけでもないのですが、たまらず、何もかもがたまらず、ぎぇぇぇぇとかひょぇぇぇぇとか、なんかそういう魔女的な奇声を上げつつ、襲いかかってしまう白雪姫なのでした。


あまりにも醜すぎる、女たちのバトルが、その瞬間に何の前触れも前兆もなく突然どっどーんばっしーんがっしゃーんと始まったのですよ。



続く(次回、遂に最終回!)
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(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説 第九話

幸せって束の間

つまらないOL風情が会社の屋上で星でも見ながらさもつぶやきそうなさもさもしいセリフが口をつくことさもありなん。

あーし、すっかりマリッジブルー。

だって、いつの間にか体の良いただの「お姫様」にいつしか完璧に落ち着いちゃったんだもの。

こうも分かりやすく型通りにプリンセスプリンセスしたプリンセスになってしまうと、「どうも姫です。わたくしが姫なんでございます」と、言葉使いもなんだかすっかりこうなのです。

とは言いつつも、まあなんだかんだでそんなに悪くない暮らし向きなわけで、だってダージリンとかアッサムとかジャスミンとか?なんかそういう香りばかりが良い色つきのお湯がしばしば振る舞われちゃうような?そういうので食事と食事の間の時間をつぶすみたいな?つぶれた時間を丁寧に裏ごししたピューレを、予め用意しておいた生地と混ぜてねってこんがり焼いたらおいしい源氏パイ的なものが、え、てか源氏パイの源氏ってなによなんなのよ!あんた!!みたいな?ああなんだかよく分からないけれど、とにかくそんなこんなで時間がじゃんじゃん過ぎて、なんやかんやであーだこーだのすったもんだで2年の月日が経ちました。



ずばーん(時間経過を知らせる音)



えーとぉ・・・・

・・・慣れた。

慣れちゃった。

でも習慣というのはしばしば怠惰を生み出します。
怠惰な毎日。
そこでひらめいちゃった。

取り巻きの目を盗んでのアドベンチャー。
それっきゃない。

それほどにこのお城は広い。

で。

わたくしは、城内アドベンチャーに出発したのであります。

目に着く扉は全部開けて食べ物があれば食べ飲めそうなものはすすり、まるで灰をかぶってたあの頃に戻ったかのよう。

そしたら。

そしたらですよ。

なんか一個だけ、どうにも奇妙な扉が、目につくのです。

一言で言えばそう、何か「邪気」のようなものがそこからはにゅるりと、鍵穴や扉の隙間からにゅるにゅるりと、目には見えないはずのそうしたアレがなんか強く感じられてたまらないのです。

あまりにもたまらなかったので。

オープン。

じゅびじょめじっちゃんぼう!!!!

あまりにも醜い、女の戦いが、なぜだかその瞬間に何の前触れも前兆もなく突然どっどーんと始まったのです



あともう少し、続く
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(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説 第八話

白雪姫はすぅすぅしたので目を覚まし、すぅすぅする原因は非常に簡単なもので、要するに全裸だったのだ。

なぜ自分がこんな場所にいるのか

まずはベタだがそこからである。

眠っていたベッドが先日までのものとは違う、というか「ウヨウヨ」とか「ワラワラ」とか言う表現ばかりがしっくりとくるあの五人組が、既に周りにいないことにややさびしさを覚えたのも事実。

だが白雪姫としてはそうしたわからなさと同時に「ああでもわたしって姫だし。姫ってこんなだし」と納まるところに納まるべきものがしっかと納まったんだという納まりの良さへの一定の理解を示していた。

けど。

どうやらお城の中らしいことは分かって、なぜなら窓からは見慣れた城壁も城門も門番も見えるし、部屋の中だって自分のお気に入りの調度品やら何やらが溢れていて・・・っていうかよく見たら実家だった。

不思議体験→実家のベッド、の流れは禁断の「夢オチ」を彷彿とさせるわけで、それは既に長期連載と化している本シリーズの根幹を揺るがしかねないスキャンダルである。

でも大丈夫、全然夢じゃないことが白雪姫にとってはっきりと分かったのは、自分の体に以前にはなかった異変、全裸だからこそ分かるエマージェンシー、つまるところ、両の乳首が、白かった。

それがあのお母様がくれたリンゴを食べたせいなのか、それとも別の理由故なのか、いまいちピンとこなかったが、はっきりしてるのは差し当ってビーチクがろいしーで、「白雪姫」の名をまさに欲しいままにするにふさわしい状況がはっきりここにある、ということだった。

さあどうしようかどうしたもんか何をどうすればなにがどうなっていくのか、とノーヒントノーチャンスな状態のまま考えあぐねていた時、何やら城門の方が騒がしくなり、とりあえずベッドのシーツを身に巻きつけてそちらに目を向けると、なにやら大変なことになっていた。

奇。

間違いなく、あの状況を漢字一文字で世相とかを反映しつつ表現するならば、そうなる。

(象+金髪パンク野郎+泥・煤・灰だらけの女)×シタール-理性=・・・・

こんな方程式は誰にだって解けやしない。

でも解けなくたって現にこうして「ある」わけだから、バストサークルイズホワイトな現状をなんとか受け入れたのと同様に、これも受け止めなくてはならないのだろう。

だってここは実家なのだから。

どんなに理不尽だと思っても、こっそりコードレス電話を使えば怒られ、ズル休みした日にスーパーにお菓子を買いに行けばチクられ、風呂場の扉は完全には閉まらない。

実家とはつまり、そういう場所なのだ。

さて、では考えてみよう。

この実家が今、どういった状況下にあるのか。

適当に服を見繕って白雪姫は部屋を出る。

すぐ右に曲がって左手にある三つ目の部屋。

お母様の部屋。

ノックもせずに扉に手をかけぐいっと押しこむと、部屋は壁から天井から全てが真っ白で、がらんどうだ。

お母様の大切にしていた鏡も何もかもが、そこにはなかった。

不思議に思って部屋に入り呆然と立ち尽くしていると、背後で「がっしん」という大きな音がする。

「ざぼっ」と振り返ると、もちろん扉が閉まっていた。

ご想像の通り、鍵で「くぴーん」と施錠されており、白雪姫はあっさり閉じ込められていた。

乳首も白いし私どうなっちゃうの。

素直にそう思うばかりの白雪姫であった。



まだもう少し、続く
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(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説 第七話

あーし的に、舞踏会から帰って来てからの生活は悪くなかった。

相変わらず灰まみれだしあんま風呂とかも入れない毎日だったからこういう言い方が果たして正しいのかどうか、微妙なラインだったけど

垢抜けた

っていうのがなんか一番しっくりくるような、そういうサッパリ感だった。

でもそんな爽快リフレッシュなあーしに、マンデラとアラファトとスーチー含む継母一同、何かとあらぬ疑いをかけたものだった。

マンデラ「やいシンデレラ、ここんとこずいぶんご機嫌じゃないか。なんだいなんだい、親友のドブネズミが婚約でも発表したかい?」

アラファト「何言ってるのマン姉さん違うわよ。シンデレラが親友だったドブネズミと友情を遥かにこえて晴れて結納を交わしたって話じゃないの」

スーチー「マン姉もアラ姉も読みが甘いわ。シンデレラは婚約してたドブネズミにすんでのところで捨てられて、落ち込みながらもめげずに頑張ってるのよ。ねぇ?」

すごいイマジネーションだと思った。

人は、いじわるをするという目的のためだけにこんなにも色彩豊かにあらぬ物語をクリエイトすることが出来るのだわ、と感心するばかりだった。

シンデレラ「とんでもねえですよ。奥手なもんで、ドブネズミさんにはまだ声もかけられてねえです。お姉さま方に恋の手ほどきをいつかしてもらいたいもんです」

こういうあからさまで巧みでOLの皆さんが今日からでもすぐに使えそうなおべっかにも、どこか誇りを持って取り組むことができる自分がいることに、あーしは喜びを覚えていた。

それもこれも、あの一夜だ。

あの一夜で浴びた視線の数々が、あーしをこうもいい意味で増長させていたのだ。


増長しつつの、ある日のことだ。

明らかに街がどよめいていた。

理由は簡単だった。

白馬に乗った王子様、とはとても言い難い、サラサラだったヘアが無重力を感じさせるほどに逆立ち、鋲やらクギやらドクロやらで全身をガッチガチに固めた、舌も俄かにはみでつつ目もドロリンとした元王子が、シタールの重奏の音色響き渡る中を専用のエレファントに乗ってやってきているのを目の当たりにしたのだ。

そらどよめくわな。

思わず、あーしは汚いまんま、忌まわしきお屋敷をえいやっと、飛び出した。

ちょうどエレファントの巨大な左後ろ足が、お屋敷の目の前を通過しようとする時で、元王子はあーしにすぐ気が付いた。

シンデレラ「なにしにきたんだい?」

元王子「ど、どうだ?これで」

シンデレラ「60点だね。赤点ぎりぎり」

元王子「・・・赤点」

シンデレラ「あと40点はなんだかわかる?」

元王子「・・・ちょっと」

シンデレラ「ばかだねぇ。ばかばかばかばかばかあーしに決まってんだろ?あーしが横にいれば100点満点ですらなくなるよばか」

元王子「え・・・てことは」

シンデレラ「行ってやろうじゃないかあんたの城に」

元王子「ほほんと?」

シンデレラ「身なりはこんなでもね、嘘はつかないあーしだよ。ほら、あーしの靴貸しなあんたが持ってんだろ気持ち悪いボケくそおたんこなす」

こうしてあーしはエレファントに揺られて城に向かった。

その後、継母たちがどうなったかはよく知らない。

従順な召使を失って、元々結束力のなかったあいつらのことだから、あっさり野垂れ死んでるかもしれない。

それはそれで、まあありだ。

だってあたし、いま、最高に幸せだもの。

てへ。


続く
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(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説 第六話

サラサラヘアの王子は、空腹を我慢できずにつまんだキノコでキメキメのテンションで、白馬に乗ってやってきた。

ラリラリ王子は、白馬からこの世のものとは思えぬほどデタラメなやり方で下に降り、小屋に入って来た。

王子「たのもー」

赤ドワーフ「なにやつ!」

王子「王子。知らない?森抜けたとこにあるお城の」

赤ドワーフ「え?ほんとに?だってなんか・・・」

王子「眼がとろんとしてるからって高貴な身分にあらずって、とんだ偏見じゃないかい」

青ドワーフ「我々としたことが!偏見や差別には小人一倍敏感であるべき我々としたことがっ!」

王子「まあまあ。僕だって君らとは違う種類の偏見にさらされてるからさ、分かるよそういうの」

緑ドワーフ「そいつはどうだか。そんなサラサラヘアたなびかせてさ、さぞかし陰毛もキューティクルなんでしょうよ」

青ドワーフ「おい!初対面の王子に言っていいことのレベルをはるかに凌駕してるぞお前!」

茶ドワーフ「そんなにキューティクルなんですか?」

青ドワーフ「お前もきくな!」

王子「そこはご想像に・・・」

青ドワーフ「答えるな王子も!」

赤ドワーフ「まあ落ちつけよ。王子がこんなとこに来たのには何か理由があるんじゃないですか?とか聞けよせっかくなんだから」

一同「・・・」

赤ドワーフ「黙るなよ!なんだよ、ベタは嫌いか?転じて、俺のこと全部嫌いか!」

王子「僕がここに来た理由はね」

赤ドワーフ「あー言っちゃうんだー聞かれてもないのに言っちゃうパターンなんだぁ」

王子「そこの、ほらえっと、ねぇ分かるだろ?君たちが密かにそこでそうやってさ・・・」

茶ドワーフ「なななななななんのことですか?ななななななぁ?」

緑ドワーフ「そそそそそそうだな。ううううううううん」

王子「素直なミニヒューマンたちだな。別にただでよこせって言ってるわけじゃないんだよ。ほらこれ」

王子が差し出したもの、それは職人技の光るあまりにも精巧に作られたドワーフ全員分の身の丈サイズのラブドールだった。

ドワーフ一同「・・・・」

王子「言葉を失うのも良く分かる。でもさ、よく考えてもみなよ、いま彼女はさ、現にああなっちゃってるわけじゃない…さすがにいたたまれないし、そもそも君たち彼女に…」

黄ドワーフ「王子さん!」

王子「はい?」

黄ドワーフ「これで、手を打ちましょう」

赤ドワーフ「お、おい、お前初登場でそんな」

黄ドワーフ「考えるまでもないだろ。白雪姫は確かにいいよ。ぐっと来る。でもさ、俺らだって馬鹿じゃない。彼女が自分たちにとって不釣り合いな存在だってことくらいは分かってる」

赤ドワーフ「おまえ・・・」

黄ドワーフ「王子さん、でも今回の取引には一つだけ条件がある。僕たちは彼女がここ数日、微動だにしないのをいいことに色々ないたずらをしてきました。いたずら、ってかわいげのある表現だけど、僕らの風体に不似合いなほどえげつないことも実際いくつかやっています。それを、そのなんていうか」

王子「不問だよ」

黄ドワーフ「王子さん」

王子「だってそうだろ?君たちだって男だ。男は、えげつない」

黄ドワーフ「みんな、聞いたか?」

ドワーフ一同「(言葉にならない声)」

王子「じゃあ行くよ。先を急ぐんで」

ドワーフ一同「(言葉にならないがなんとなくそう聞こえるような感じで)おしあわせに」

王子は、ぐったりとうなだれた白雪姫を小脇に抱えてカポカポと去っていった。

七人はそれぞれの性癖にあったやり方でラブドールを愛し、思いつく限りのいたずらにいたずらを重ね、森の奥でそこそこに差別をされながらも何となく幸せに暮らすのであった。

一方、王子は城に帰り、白雪姫を連れ帰った本当の目的を果たすべく、サラサラヘアの奥に潜む濁った瞳で、ベッドに横たわる白雪姫を見つめていた。

ちなみに、五人が施したえげつないいたずらのせいで、彼女の覚醒が大幅に遅れていることには、誰も気づくことはなかった。

何が行われたかは・・・私には書けない。

そしてふわっとも、七人は活躍しなかった、ね。


続く
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(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説 第五話

ドレスを身にまとったシンデレラは、自分の美しさにとりあえず勝ち誇っていた。

この無敵感は、言葉に出来ない。

なので家の誰か所有のアニマル柄のつっかけつっかけて、外に出た。

魔女が何かを言っていたが、無視。

運良く、屋敷の前に止まっていたかぼちゃとかで出来てるメルヘンな馬車に何の疑いもなく飛び乗って、舞踏会会場に直行。

「・・・・・・・・」

思わず初めてのスケール感に言葉を失った。

そりゃそうである。

一介の女中であったシンデレラにとって、これまでに見た一番大きいものと言えば継母の乳輪・・・もとい、屋根裏に隠されている三女のスーチーが皆に内緒で買った西洋風性欲処理人形、通称ダッチボーイズの黒・・・もとい、丸々太ったかわいいドブネズミくらいなものだったので、誰が見てもまごうことなくキャッスルキャッスルしたキャッスルのあまりにも豪快なでかさに、何の意外性もなく驚いてしまったのだ。

そして入城。

で、なんとなく小粋に踊ってたら王子、登場。

王子の第一印象?

なんかチャラい感じ。

正直、そう思った

王子「君、いいステップ踏んでんじゃん。その靴どこで買ったわけ?マジアニマルってんだけど」

シンデレラ「わかる?アニマルヤバいよね」

王子「ヤバいよ。君のは特にヤバい」

シンデレラ「君、って呼ばないでくれる?マジウザいんだけどあーし、シンデレラつうの、よろしく」

王子「シンデレラ、いけてんなぁおい。おれ、王子。それ以上でもそれ以下でもないから、よろしくぅ」

シンデレラ「ちぃーす」

王子「よかったらさぁおれの、姫になんねぇ?」

シンデレラ「うわ、やっべ、これ帰んね―と、バレっしょ。バレたらヤバいっしょ」

王子「なあシンデレラ、おれ今何気にプロポーズしたんだけど」

シンデレラ「つうか、あーし帰んね。王子だっけ?おめぇ、もうちょい髪とか、パンキッシュにした方が、いいんじゃね?王子でサラサラ横分けって、今どきあり得ないっしょ」

王子「そ、そうかよ」

シンデレラ「じゃあ急いでっから、じゃあ」

シンデレラは、とりあえずダッシュで帰った。

つっかけ脱げても、関係なかった。

なんかよくわかんないけど、悪くない気分だった。

それがあの灰まみれの家から外に出たからか、ドレスを着たからか、舞踏会に行けたからか、この頃のあーしにはわかんなかったけど、この夏の全部の出来事が全てこっから始まってたってことだけは確かなんだ。

と、最後に突如として付け焼刃的になかばやっつけで、ケータイ小説ぽさをふんわり醸しながら、来週へと続くのであります。

続く
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(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説 第四話

目の前で母親が魔女コスに身を包んで佇んでいる現状。

わたくししばし呆然といたしまして、ただそれでも漫然と会話をはじめてみたのです。

「は、母上?ど、どう、なさったんです?」

「・・・いらん?」

「母上?」

「・・・いらん、かえ?」

「・・・なにをですか?」

「これ、その・・リンゴ」

「おリンゴですか?」

「お腹が減ったろう?」

「・・え、まあ、ええ」

「好きだものねぇリンゴがお前は」

「でもどうしたんですか突然?こんな森の奥に。虫とかいっぱいでお母様お嫌いじゃないですかああいった手足のやたらに多い生き物が」

「・・・背に腹はかえられない」

「絵にはらわたは描けない?」

「・・・背に、腹は、かえられない」

「てっしー、まだらに、枝臭い?」

「・・・もういい。とにかく、このリンゴをね、お前にやるから」

「あ、ありがとうございます」

「いいかい?くれぐれもよく噛んで、食べるんだよ」

「はあ」

「じゃあ、ね」

母上はよく見ればマントの裾をズルズル引きずって、すごすごと帰っていきました。

で、残された赤いリンゴの赤の禍々しさったらありません

悩みました。

いくら母上の言いつけだからって、ここまで見るからに怪しいおリンゴを進んで口にするのは気が引ける。

そこで・・・

白雪姫「ちょっと、ドワーフの皆さん、こちらにずらっと並んでくださる」

ドワーフ一同「なんですか」

白雪姫「これ見て、ほら綺麗なおリンゴでしょ」

赤ドワーフ「ほんとだー」

白雪姫「率直に聞くけれど、この中でわたくしのことを一番愛して下さってるのは、どなた?」

ドワーフ一同「・・・」

白雪姫「あら、どなたも愛しては下さってない?」

青ドワーフ「お言葉ですが姫様、我々の中で姫様を愛していない者などおりません」

白雪姫「あら素敵、じゃあはいこれ」

黄ドワーフ「なんですかこのけばけばしいのは」

白雪姫「おリンゴよ、剥いたから食べて」

緑ドワーフ「・・これは、ちょっと・・・なぁ?」

白雪姫「やっぱり、わたくしへの愛などその程度なのね」

茶ドワーフ「おれ、食べます」

白雪姫「ナイスよウンコ色!」

他のドワーフ「・・お、おれもー食べるー」

むしゃむしゃ食っておりました。

大層おいしそうに、むしゃりむしゃりとそれをかじる奴らを見て、わたくしも「一口くらい食べてみたいそこまでうまいのなら」と思うようになり、結局ドワーフたちをほぼ蹴散らすような形でその中に割って入り、おリンゴを一かけ齧ったのでした。

ぶぅぅーふぅーふぅーぅん

じょべりべじゅばじゅび!

とかまあそんな音を立てながら、白雪姫は泡吹きぃの目玉ひんむきぃの倒れました。

所詮ドワーフは怪物、白雪姫は人間だったのです。

もうとてもじゃないけど自分が救えるような状態にはない白雪姫を見ながら、ドワーフたちは思いました。

レイプOR埋葬

悩みました。

千載一隅のチャンスだとだれもが分かっていたからです。

ひたすら悩みました。

・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・

悩んでるうちに紙幅が尽きてしまいました。

とりあえず、次回、ドワーフたちがふわっと活躍するぞ、という予告だけしておきましょう。


続く
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(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説 第三話

クソババアは何の躊躇もなく屋敷に上がり込んで、シンデレラの淹れた紅茶をすすっていた。

「あの、ご用件はなんですか」

クソババアはお茶請けに出したマフィンをかじりながらギロッとシンデレラを睨みつけながら言った。

「おおおおおおお前を食べるためだよ!・・・・あ、間違った」

「え?」

「いいいいいいいいや、その、えーと、お前、シンデレラだね」

「はあまあ」

「おおおおおおおお前の生き血を吸ってやろうか!・・・あ、間違えまくった」

たぶんだけど。

予想の話だけど。

このクソババアはこういう格好をするのはほとんど初めてで、キャラ設定が曖昧なのだ。

ここで当然の疑問がわく。

なんでその曖昧なキャラ設定でこの屋敷に乗り込まにゃあならんかったのか、と。

聞いてみた。

「で、なんですか?私も私なりにそこそこ忙しいんですけど」

「ヒッヒッヒッ」

「ズカズカ上がり込んで、失礼じゃないですか」

「ヒッヒッヒッヒッ」

「あなた大人でしょ、大人の女でしょ!」

「ヒッヒッヒッヒッヒッヒッ」

バン!

ズゴバン!!

ズリヒャボドッチンカン!!!

概ね3発、シンデレラはクソババアを、手元にあった次女のアラファトのコルセットで、殴打した。

クソババアは怯んでいた。

怯みながらも、言った。

「まままま」

「はい?」

「まままままままま」

「なんですか?」

「まままままままままままままままままままままままま」

「ぶちますよ」

「まっ・・・魔女あんぢゃお」

恐怖とは、時に老婆の長年培ってきた言語感覚すら狂わす。

シンデレラは念のため聞き返した。

「魔女なんですか?」

「・・・・はい」

「・・・・で?」

「・・・・・へ?」

「だから・・・・で?」

「ど?」

「ど?じゃないですよ。魔女なんですよね?」

「はい」

「で?」

「・・・・ぼ?」

ジョン!

ジョグリン!

ジョッゲレンダリュホン!!

今度は長女のマンデラの胸パット×2を巧みに操ってアタック。

クソババアはすっかり憔悴。

でもこれで魔女なのだ。

「何しに来たんですか?って聞いてるんですけどさっきからずっと」

「・・・・」

「怖がらないで。私は単なる女中よ」

「・・・・」

「さっきまでの暴力については謝るわ。ごめん。私もちょっとどうかしてた」

「もももももももももう、ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶたない?」

「もちろんよ。私、年上には普通に敬意を払うタイプだから」

「シンデレラは、ぶぶぶぶぶぶぶぶと」

「ぶと?」

「ぶぶぶぶぶとうかいには、いかないの?」

「ぶとうかい?・・ああ舞踏会ね。何言ってんの、私が行けるわけないじゃない」

「いいいいいいいきたくないの?」

「行きたくないかって?行きたいか行きたくないかが問題なんじゃないの。行けるわけないって言ってるの」

「どどどどどどうして?」

「女中なのよ私。汚い汚いドブ女中、ドブから生まれたヘドロ女、ヘドロの国からやってきたスーパー汚物ギャルその名もシンデレラ、なのよ。舞踏会なんて・・・ドレスもないし」

「どどどどどドレス?じゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃあ、ドレスがあれば、行きたい?」

「そりゃ・・・まあ人生経験の一環として?行きたくないこともないけど・・・まあいつかはね。・・・・あああ!!!もしかしてあなた!?」

「いいいいいいや、あの、私そういうタイプの魔女じゃないんで、そのドレス出したりって言うのは出来ないんですけど」

「なんだよ。期待させんなよバカクソゴミ」

「でででででも、洋裁得意なんで、作りますよドレス」

「ほんとに?」

「はははははい、お茶いただいたんで」

「あんなに殴ったのに?」

「ままままままあ、私が悪い部分もありましたし」

「あーーーでも、あれだ、生地無いわ。勝手に使ったらほら、絶対バレるよアホマヌケ汚泥」

「そそそそそれは、魔法でどうにでもなりますよ、生地だったら」

「生地は出せるんだ」

「ももももももちろん」

「・・・・ううん、まあよくわかんないけど、よろしく」

「ここここちらこそ」

というわけで、シンデレラは吃音丸出しの、能力もなんかまばらな印象の魔女と一緒にドレス作りに着手した。

で、完成。

性格と暴力衝動を取り除いてしまえばただの美女だったシンデレラは、ドレスを着ればそりゃまあいい感じだった。

ドレスを着てクルクルと回って見せる、ほのぼの気分全開のシンデレラとそれを見て顔面しわくちゃにして喜ぶ魔女なのであった。




・・・・・・・・・早く行けよ、舞踏会に!



(続く)
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(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説 第二話

わたくしは白雪姫。

名前の通り、完全に姫。

父上はわたくしが生まれる前になんか馬のトラブルで死んじゃいました。

母上は自称魔法使いです。

彼女にしか見えない魔法の鏡にしゃべりかけては、自分より美しい女を探す日々を私の物心がついたころからずっと、送っています。

ほとんど魔女ですね。

母上の美への執着は凄まじかったです。

ドホモルンリンクル的なものはもちろんのこと、ヒジャモケッチャナムルンとか言う無名の薬草取りに断崖絶壁まで行ったり、ロデオマシーンの存在を知るや否や馬車馬で試したり、まあ要するに彼女の生き方そのものがビューティコロシアムでした。

そんな母上は、鏡が「お前より美しいのはお前の娘だ」と言ったとわめきちらし、パニックしパニックしパニックし尽くした後、わたくしを城から追放しました。

姫なのに。
あぁ姫なのに。

身一つで城から放り出され、森の中をさまよっていたわたくしに、救いの手を差し伸べたのは、小さなドワーフたちでした。

新手のナンパかしら。
それともキャッチ?

そう思わないではいられなかったのです。
でも違いました。

だって彼らに私の貞操を奪取することなんて出来る筈ないもの。
彼らの体のサイズが、そこから推測される生殖器のサイズが、その事実をはっきり物語っていたんだもの。

でもなんなのかしらこのちんちくりんたちは。

一度疑い始めると想像力がとどまることはありませんでした。

彼らは夜になると何らかのモンスターにでもなるのではないかしら。

激怒して眼が白くなり皮膚が緑色に変色し筋肉が盛り上がって着ていた服が裂け巨人に変身するとか、まあそれは私が好きな超人ハルクだけど、悲しみの巨人・超人ハルクにかつがれてわたくし諸国漫遊の旅路につくのだわ街とか文化遺産とかを無造作に破壊して人々の嫌悪な視線を全身くまなく浴びるのだわそうよそうなのよそうに決まっているのだわよきゃあああーーー!!!

・・・でも、元々深く悩んだりしない性格のわたくしは、七人のドワーフとの小粋な会話でそんなことはすぐに忘れてしまいました。

赤ドワーフ「姫、ご飯は何食べます?」
白雪姫「グラタン」
青ドワーフ「グラタンはちょっと・・・材料の関係があるもんですから」
白雪姫「じゃあピザ」
黄ドワーフ「チーズがね、ないんですよぉ」
白雪姫「ピザ」
緑ドワーフ「姫?聞いてますか?チーズがちょっとご用意できないんですよ」
白雪姫「誰?」
茶ドワーフ「なんですか?」
白雪姫「誰のせいなの?チーズがないのは」
黒ドワーフ「・・・いや誰のせいと言われましてもねぇ」
白雪姫「お前が悪いのか?」
白ドワーフ「いえいえ、そんなことないです」
白雪姫「七人並んで。歯食い縛ってくれる」
ドワーフ一同「ひぃぃぃぃぃぃーーーー」

夢のような毎日。
たいそう楽しかったわ。

でもそういうのってあんまり長く続かないものなのよね。
わたくしの場合もそう。
突然の出来事に、いろいろが溶けていっちゃうことって、あるよね。

週明けの月曜日。
変装丸出しの母上が、なぜだか魔女っ子のコスプレを身にまとった姿で玄関先に立っていたあの朝が全ての始まりだったのです。

続く
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