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(シンデレラ×白雪姫)+ケータイ小説 第六話

サラサラヘアの王子は、空腹を我慢できずにつまんだキノコでキメキメのテンションで、白馬に乗ってやってきた。

ラリラリ王子は、白馬からこの世のものとは思えぬほどデタラメなやり方で下に降り、小屋に入って来た。

王子「たのもー」

赤ドワーフ「なにやつ!」

王子「王子。知らない?森抜けたとこにあるお城の」

赤ドワーフ「え?ほんとに?だってなんか・・・」

王子「眼がとろんとしてるからって高貴な身分にあらずって、とんだ偏見じゃないかい」

青ドワーフ「我々としたことが!偏見や差別には小人一倍敏感であるべき我々としたことがっ!」

王子「まあまあ。僕だって君らとは違う種類の偏見にさらされてるからさ、分かるよそういうの」

緑ドワーフ「そいつはどうだか。そんなサラサラヘアたなびかせてさ、さぞかし陰毛もキューティクルなんでしょうよ」

青ドワーフ「おい!初対面の王子に言っていいことのレベルをはるかに凌駕してるぞお前!」

茶ドワーフ「そんなにキューティクルなんですか?」

青ドワーフ「お前もきくな!」

王子「そこはご想像に・・・」

青ドワーフ「答えるな王子も!」

赤ドワーフ「まあ落ちつけよ。王子がこんなとこに来たのには何か理由があるんじゃないですか?とか聞けよせっかくなんだから」

一同「・・・」

赤ドワーフ「黙るなよ!なんだよ、ベタは嫌いか?転じて、俺のこと全部嫌いか!」

王子「僕がここに来た理由はね」

赤ドワーフ「あー言っちゃうんだー聞かれてもないのに言っちゃうパターンなんだぁ」

王子「そこの、ほらえっと、ねぇ分かるだろ?君たちが密かにそこでそうやってさ・・・」

茶ドワーフ「なななななななんのことですか?ななななななぁ?」

緑ドワーフ「そそそそそそうだな。ううううううううん」

王子「素直なミニヒューマンたちだな。別にただでよこせって言ってるわけじゃないんだよ。ほらこれ」

王子が差し出したもの、それは職人技の光るあまりにも精巧に作られたドワーフ全員分の身の丈サイズのラブドールだった。

ドワーフ一同「・・・・」

王子「言葉を失うのも良く分かる。でもさ、よく考えてもみなよ、いま彼女はさ、現にああなっちゃってるわけじゃない…さすがにいたたまれないし、そもそも君たち彼女に…」

黄ドワーフ「王子さん!」

王子「はい?」

黄ドワーフ「これで、手を打ちましょう」

赤ドワーフ「お、おい、お前初登場でそんな」

黄ドワーフ「考えるまでもないだろ。白雪姫は確かにいいよ。ぐっと来る。でもさ、俺らだって馬鹿じゃない。彼女が自分たちにとって不釣り合いな存在だってことくらいは分かってる」

赤ドワーフ「おまえ・・・」

黄ドワーフ「王子さん、でも今回の取引には一つだけ条件がある。僕たちは彼女がここ数日、微動だにしないのをいいことに色々ないたずらをしてきました。いたずら、ってかわいげのある表現だけど、僕らの風体に不似合いなほどえげつないことも実際いくつかやっています。それを、そのなんていうか」

王子「不問だよ」

黄ドワーフ「王子さん」

王子「だってそうだろ?君たちだって男だ。男は、えげつない」

黄ドワーフ「みんな、聞いたか?」

ドワーフ一同「(言葉にならない声)」

王子「じゃあ行くよ。先を急ぐんで」

ドワーフ一同「(言葉にならないがなんとなくそう聞こえるような感じで)おしあわせに」

王子は、ぐったりとうなだれた白雪姫を小脇に抱えてカポカポと去っていった。

七人はそれぞれの性癖にあったやり方でラブドールを愛し、思いつく限りのいたずらにいたずらを重ね、森の奥でそこそこに差別をされながらも何となく幸せに暮らすのであった。

一方、王子は城に帰り、白雪姫を連れ帰った本当の目的を果たすべく、サラサラヘアの奥に潜む濁った瞳で、ベッドに横たわる白雪姫を見つめていた。

ちなみに、五人が施したえげつないいたずらのせいで、彼女の覚醒が大幅に遅れていることには、誰も気づくことはなかった。

何が行われたかは・・・私には書けない。

そしてふわっとも、七人は活躍しなかった、ね。


続く

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