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『ブスノート』とは
新世界の神になることを決意した嘉川轟子が夜神月子(やがみらいこ)と改名。
「美しい新世界」の創生のため遺伝子操作によって美女と美女をかけあわせ、
「究極のキメラ・アイドル」を産み出すマッドサイエンス研究所のことである。

「天職なんかじゃない」とは?

Vol.0 「天職なんかじゃない」なんて言わないよ絶対

いきなり自分の話で恐縮だが、わたしは名前を轟子という。
グラビアアイドルを愛している。
巻頭グラビアやテレビ画面の四角いフレームから決して出てはこない彼女たちに、
投函しないラブレターを日陰でこそこそと、しかしあらんかぎりの情熱を込めて書く。
『パンドラの箱入り娘たち』はそんなわたしのラブレター墓場です。


それで、まだ自分の話が続くのでほんと申し訳ないのだがでもちょっと聞いて欲しい。
アイドルを愛するほとんどの人々と同じように、
わたしもまたアイドルたちのブログを巡回することを日課にしている。

たいへんな時代になったものだ、と轟子はおもう。
いまだかつて、これほどまでにアイドルの「セルフプロデュース能力」が問われた時代があっただろうか。
黙ってかわいくしていれば阿久悠とか秋元康とかなんかそういうインテリおやじが「ベストな魅せ方」でキャラ設定していってくれる、そういう時代は終わった。
いまやアイドルは、自然体ですっぴんかつガッカリされない程度にはすてきな日常、というのを毎日毎日毎日ブログに書き続けることも、その業務の一環なんである。
自分撮りの写メ付きで。ぜんぶ自力で。
たいへんな時間外労働だ。


その彼女たちの労力のたまものを、夜な夜な軽快なクリック音を響かせながらナナメ読みする日々を送るうちにわたしは、なんとなくこういうことを考えるようになった。

「はたしてこの職業は、この娘を幸せにしているのだろうか」
「アイドルよりももっと向いている職業があるのではないか」
「より幸せになれる職業は他にあるのではないか」

矛盾している。
わたしと彼女たちが出会ったのは、彼女たちがアイドルをやってたからだ。
アイドルである彼女を、わたしは好きになった。
好きになりすぎた。
挙句、「アイドル以外の仕事をすべきでは…」などと思い始めるのである。
つくづく矛盾だ。
しかしわたしはこの矛盾をこそ愛の本質であると言いたい。


そういうわけで、『パンドラの箱入り娘たち』の第一期では、
きらめくアイドルであるところの彼女たちに
「きみの天職はこれだ!」
とアイドル以外のお仕事をオススメする。
題して『パンドラの箱入り娘たち~第一期・天職なんかじゃない~』です。


しかるにそれは「アイドルなんか辞めちまえ」というアンチスタンスからの提言ではなく、「なんかいろいろ心配なんだよ…」という郷里のお母さんスタンス、および「あなたの裸が好きだが、もうあなたが裸をさらすところは見たくない!」というAVアイドルを本気で愛したファン・スタンスなどがない混ぜになった、愛の矛盾に満ちた魂の叫びであるとお考えいただきたい。
愛ゆえにわたしの魂は叫ぶのです!

ラブレターは深夜に書くもの、
深夜のテンションでどうかお付き合いください。
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