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デリカシーの機微が問われる現代社会のさまざまな局面に、ぼんやりと警鐘を鳴らす無神経なコラム。

【2012/06/17(日)~06/23(土)】



【6月17日(日)】
CAMPFIRE×getstage共催の開設1周年イベント「GETFIRE」で、
CAMPFIREを代表して大塚ニューコーポ(というかぎたろー君)が
パフォーマンスを披露することになり、今日はその稽古2日目。

とはいえ、前回は顔合わせだけだったので、実質今日が初めての練習。
20分の持ち時間をずっと踊り続けるわけにもいかないので、
コントパートの台本をいつの間にか俺が書くことに。

前回の顔合わせで出たアイディアを盛り込みつつ、草案程度の台本を持参。
今日のダンスパートの様子を見てから決定稿を書こうと思って…
なんて言うと聞こえはいいけど、実際は時間ギリギリだったんで
台本が間に合わなかっただけです、すいません。

それにしても、今日の稽古は「ダンサーすげえ!」の一言に尽きた。
今回、振付ができないぎたろー君(@gitaro108)のために、スズキ拓朗さん(@chairoiPURiN)と安田有吾さん(@shogakuka)という
心強い助っ人を呼び、はからずもコンドルズ新人3人が揃うという貴重な機会になったわけだが、
選曲してから3人で時間を区切って振付を考えるまでが、すげえスピーディー。

あれよあれよという間に、実質2時間足らずで2分半ほどのダンスシーンができてしまった。

とくに拓朗さんは、俺より2、3歳年下とまだ若いながらも、
振付家とダンサーの仕事だけでフツーに飯を食えているというプロ。
下ネタが中学生レベルであることを除けば(すぐに「ヤリたい」とか言う)、
めちゃくちゃ才能のあるカッコイイ人なのである。

意気込みを体で表現する3人
スズキ拓朗さんのtwitter(@chairoiPURiN)より

ちゃんと積み重ねのある人は、すごいよ。
俺なんか、どんな原稿書くにも、毎回イチからだもの。
ノウハウとか、なんにも持ってないからなあ。
持ってなきゃまずいんだけどねホントは。

そして、踊っている人を見ると、生来の出たがり気質が顔を出し、
自分もうっかり体を動かしたくなるからよくない。
ダメだダメだ、自分は人様の前に立っていい身体じゃないだろ、
と心の中で自分を一喝。


帰りに下北沢を歩いていると、歩道に面した居酒屋のテラス席で
飲んでいる大学時代の同級生・Tと奇遇にも再会。
しかも、彼女はダンサーたちとも旧知の仲という奇遇の2乗だったので、2度びっくり。

「最近、大塚の人たち全然遊んでくれないよねえ~。
あれでしょ? 拓朗とか有吾とか、お金になりそうな
人としかもうつるまないんでしょ?」
って、さりげなくひどいことをニコニコしながら言われる。

でも、最近相手にしてもらえないから寂しい、
みたいなこと、他の人にも言われたな。

たしかに、大塚も以前はもっと単なる飲み会サークル的な
ノリで気軽に人を呼び集めてたなあ、と思いつつ、
そういう場合でもなくなってきたことを、
団体としてはむしろ「いいこと」だと思ってたんだけど、
裏で「つれないな」と思われてるんだとしたら、
それは本意じゃないんすよ!

タスクをこなすことでいっぱいいっぱいなんすよ!


【6月18日(月)】
ウェブの記事で紹介させていただいた縁で、
パルコ劇場の『三谷版・桜の園』に招待していただく。

「冒頭に"四幕の喜劇"って書いてあるんだから、
純然たるコメディとして上演できるんじゃないか?」

というのは、演劇かじったことのある人なら
一度は考えることじゃないかと思うのだけど、
その「かじった人が思いつく」レベルのことを、
実際に作品として成立させてしまえるのが、
三谷幸喜のすごいところなんだと思う。

明らかに客席が湧く笑いの量は増えているのに、
原作の改変をあまり感じさせない手腕はお見事。

それもそのはず、パンフレットによれば、
本来チェーホフが笑いを意図したであろう箇所を、
現代人の感覚でも成立するように翻案しているだけで、
まったく新しい笑いを増やすことは、基本的にしていないのだとか。

原作には書かれていないセリフの意味合いやト書きを、いわば拡大解釈することで、
原作にもともと埋もれていた笑いを掘り起こしている印象。

なに、その神業!
ていうか、なんてストイックなんだ!

設定もセリフもギャグも、現代に合わせてそれっぽく
書き換えちゃったほうが明らかに楽だろうに。
なんなの? ドMなの?

三谷幸喜といえば、脚本のおもしろさで功成し名を遂げたわけで、
私も昔はずいぶん彼の喜劇作家としての才能に憧れた。

松尾スズキと大人計画に出会ってからは、
三谷作品がひどく優等生的なものに見えてしまって
(宇野常寛さんが言うところの「学芸会的な正義」)、
彼の作品にもあんまり笑えなくなっていったんだけど、
近年では演出家として、再び注目すべき存在になったんじゃないかと思う。

とにかく、今回はその演出の細やかさに戦慄を覚えたよ!


それはさておき、金曜と月曜に用事を入れて、
まともに仕事を終わらせて行けたためしがない。

今日も今日とてやることが終わらずに、
劇場に着いたのが開演ギリギリの19時ジャスト。
走ったものなあ、渋谷駅から。なりふり構わず。
三十路目前の人が全速力で走っちゃだめだよ、もう。


【6月19日(火)】
27日(火)の「GETFIRE」のイベントの下見をするために、
大塚ニューコーポのEG(@EGMC)とともに会場のセコバーつうところへ。
もちろん今日も安定の遅刻っぷり。

出かける前に余裕をもって仕事を終わらせるってことが、どーしてもできんのです。
仕事をあきらめるか、用事に遅刻するか、どっちか。
どっちかしかできない。

中学生までは、テスト勉強といえば一週間前、二週間前から計画的に始めて、
前日はもう「確認のためのおさらい」レベルになるまで周到に準備してたのに。
ていうか、そうしないと不安でしょうがなかったものな。
どこで道を間違えたんだろうな、ほんとに。

少なくとも大学時代には、レポートを前日に慌ててやる人間になり下がっていた。
でも、それでも前日に徹夜すればなんとかなってたわけよ。
実際、どうにかしてきたし。

それが、どうにかできなくなってきたことに、自分の能力の衰えを感じるんだよ。
原稿書くのも、年々時間がかかるようになってる気がしてしょうがない。

ぴあにコラム連載してたときは、一晩必死になれば、
何かしらおもしろいものが書けるだろうっていう、根拠のない自信があった。

それが、ポパイの連載コラムのときは、一晩で書ける自信なかったもの。
いや、でもなんだかんだいって、前半は会社勤めしながら一晩で書いてたな。

問題は後半だよ。
どんどん書けなくなっていって、最後のほうは1日かけて書いた原稿に
「小手先で書いてる感じがする」ってダメ出しされてどうすればいいかわからなかった。

フリーになってからですかね。
フリーになったのがよくなかったんすかね。
まだ答えは出したくないですけどね。


家に帰ると、6月に上陸するのは8年ぶりだという台風が襲来。
きっと、博多に左遷されたさしこが天神様となって東京に呪いをかけてるんだろう。
さしはら、さしはら。

じゃなかった、くわばら、くわばら。

関係ないけど、クワバタオハラは、結局ニッチェにもチキチキジョニーにも
なりきれなかったコンビなんだなと、ニッチェとチキチキジョニーが出てきたことで腑に落ちたよね。

『リーガルハイ』は今日もどんでん返しが痛快に決まっていた。
先週は、あきらかに原発問題に踏み込んだ圧巻の長ゼリフに「ここまでやるのか!」と衝撃を受けたけど、
今週はもうそこに深入りするのはやめてしまったので、意外とあっさりだったなという消化不良感も。
とはいえ、今期一番おもしろいドラマであることに変わりなしでしょう。


深夜、新しい連載の仕事が決まる。
やった!


【6月20日(水)】
大塚ニューコーポのスカイプ会議。

途中でちょっとキレてしまって、というか、正確には
あからさまに信用されてないことが悲しくなってしまって、
終盤はほとんど黙ってROMってた。

別に普段通りの福田イジリの流れではあったんだけど、
なんかこのときは、その奥にある「動かせないもの」の
存在を感じてしまって、スルーできなかった。

あんまり伝わらないだろうし、
伝わってもしょうがないことなので蒸し返さないけれども。


ま、それはさておき、今日は「AM」という女性向けポータルサイトで先週から始まった
『恋愛ドラマ勝手に深読み入門』というコラムの第2回が更新されたんだった。

第2回:山口智子はなぜ『ロンバケ』で連ドラクイーンから降りたのか(後編)

当然ながら俺はドラマの評論家でも批評家でもないので、
ドラマ論としては恥ずかしいほど浅いし薄っぺらだし、
あくまで「スゴレン」の三文記事みたいな(口がすべった!)、
事実無根のエッセイとして読んでもらいたいんだけど、
その割には、「語って」しまっているところが青臭いなあ、俺。

もっとギャグタッチに寄せて書ければ書きたいんだけど、
ほら、根がまじめだからさ俺は(真顔で)、
ふざけるほうが体力要るのよ。

「クライアントが笑いを求めてない」ことを言い訳にして、
本当はおもしろく書けないだけなんだけど。


もうバレてるかもしれないから書いちゃうけど、
俺はね、がんばらないとふざけられないんです。

以前、ぎたろー君に
「福田君は、飲み会とかであんまりしゃべらないよね。
お金がからまない場所だと、力を出さないんだね!」
ってふんわりdisられたんだけど(笑)、違うんすよ!

そもそも自然体にしてたら、人を楽しませる力がないの俺には。
誰としゃべっても、あんまりスムーズに話が盛り上がったことないし。
取材や打ち合わせのときは、無理してやってるだけなのよ。

だから、向いてないんだな、いろいろ。
おとなしく公務員とかしてたらよかったのかもしれない。
でしゃばってすいませんでした。


【6月21日(木)】
「GETFIRE」の稽古3回目。
とりあえず台本を全面的に改稿し、最後まで完成させて持参。

しかしこれ、一週間後には本番だというのに、
そこそこ長ゼリフもある15分近い芝居を、
あと3回の稽古でやってもらうって、なかなかに鬼じゃないだろうか。
ニアリー・鬼じゃないだろうか。

セリフも決まって稽古も追い込み
安田有吾さんのtwitter(@shogakuka)より


すまねえ、と思いつつも、台本を置いて逃げるようにその場を去り、
そのままスマホ向け放送局「ワロップ」のレギュラー番組「大塚ニューコーポのパヤッパヤ革命」第12回の生放送収録へ。


今日は、私がツイッターでやってる
残汁先生(@zanjiru)というアカウントの活動の紹介。
GETFIREの台本がギリギリまで書き終わらず、
ほとんど何も準備ができないままの本番だった。

ノープランのフリートークでも45分話せるくらいには
ネタがあって助かったけど、もっと体系的に整理して
話せたらよかったなと、ちと反省。

だんだん、ワロップの存在が
自分の他の仕事を圧迫しているように感じはじめる。


【6月22日(金)】
「AM」のドラマコラム第3回をウンウン唸ってなんとか書き上げ、
予定より大幅に遅れて「GETFIRE」の第4回稽古で神楽坂へ。

今日の稽古場は、出演者の一人・安田有吾さん(公式サイト)の自宅。
有吾さんは、「書楽家(しょがくか)」という肩書きを名乗り、
店舗看板や題字、ロゴ、表札など筆文字を使ったデザインをするのが仕事だ。

書楽家の仕事を始めたのは27歳、
近藤良平さんと出会いパフォーマーを始めたのは31歳だという。
もともとコンテンポラリーダンスは、バレエなどとは違い
20歳を過ぎてから始める男性も多い世界ではあるが、
それでも遅咲きかつ異色の経歴だろう。

私は、クリエイター的な仕事で飯を食えている人を
無条件に尊敬するので、彼も羨ましい人間の一人だ。

あと、無表情で淡々とテキトーなボケを言うところもおもしろい。
「コンテンポラリーダンス界の高田純次」。
心の中でそう呼びたいが、まだ勇気がなくて呼べないでいる。

それにしても、昨日からのたった1日で、
出演者3人の芝居がかなり固まっていてびっくり。
さすがだよ。ちょっと感動。

そして、いつの間にか俺が「演出」みたいな立場になっていたんだが、
正直どこまで口を出していいのかわからず微妙な立ち位置。
もやもや。

稽古終わりに、神楽坂の中華料理屋「りゅうほう」(食べログ)で食事。
この店の看板やメニューは、すべて有吾さんが書いたものだとか!
塩ラーメンがうまかったが、後で調べてみたらチャーハンもうまい店らしい。
これはリベンジしたくなる店!


【6月23日(土)】
明日はぎたろー君のポーズ集の撮影初日で湘南へロケ。

そのため、今日のうちに撮影の衣装や小道具などを
買い出しに行かなければいけなかったのだが、
やりのこした仕事をずるずるしていたら、結局家を出れたのが夕方。

板橋の古着屋、池袋のドンキ、東急ハンズ、サンシャインシティなどを回り、
どうにかこうにか買い出しを終えたのがようやく21時前。

もういやだ、こんなギリギリ人生…。

思わずこんな写真を撮るくらいにはどうかしていた
思わずこんな写真を撮るくらいにはどうかしていた

しかし、人間追いつめられると何をするかわからないもんだよね。

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