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デリカシーの機微が問われる現代社会のさまざまな局面に、ぼんやりと警鐘を鳴らす無神経なコラム。

【2012/04/08(日)~04/14(土)】


【4月8日(日)】
だめだ、この日何してたのか思い出せない。

どうしても4月からこの日記連載を始めなきゃ、と思って、
一週間分の日記を無理して思い出しながら書いてた記憶だけはある。

もちろんそれだけで終わったはずはないのだが、
意外とそういうことで一日を棒に振ったりもするからなあ、俺。

どうしてこんなにもいろんなことが漫然と過ぎていってしまうんだろうな。

「漫然力」というものがあるとしたら、
俺はあらゆる能力のパラメータグラフの中で
漫然力だけが飛び抜けて高い自信がある。

漫然ヘルメットをかぶって
漫然バーをカチッと音がするまで下げて、
なによりも漫然確認を怠らず
漫然第一で作業している男、それが俺だ。

漫然ちゃん。

そんなあだ名でカリスマブロガーにでもなれたらいいが、まあ、なれない。
なぜなら、漫然だからだ。

そんな中、『水曜どうでしょう』2011年新作だけが
コンスタントに同じおもしろさを叩き出してくれている。

これもそうとう漫然としたバラエティ番組ではある。

いかんせん、たかが3泊4日の旅を何週にも引き延ばして、
画面にほとんどタレントが映っていなくて、
あろうことか旅館の外景にテロップだけ、みたいな画が平気で続く。

こんな漫然と作られた番組があるだろうか。

でも、この漫然は、確かな漫然だ。
覚悟と技術を持った、プロの漫然の姿がそこにはある。

サウイウ漫然ニ、ワタシハナリタイ。


【4月9日(月)】
やらなければいけないことがまったく終わっておらず、
ONCで企画されていた花見に行けなかった。

そういうときに限って、
当初は行けないはずだったヤツが一人またひとりと参加し、
結局、俺以外のほとんどのメンバーが参加してやがる。

俺、昔からけっこうそういうことあるんだよな。
「あのとき、こんなことあったよねー」っていう場に、
俺だけ居合わせてないパターン。

なんだかなー。
阿藤快でちゃったよ。
なーんなんでしょうね、これ。

単に、俺が何かにつけて間に合わないダメな人ってだけならいいんだけど、
いや、よかないんだけど、
そうじゃなくて、

「これには参加しといたほうがいいよね」という
いわば「行かなきゃ感」を、俺だけが察知できていないのか。

俺以外の誰かが場の「行かなきゃ感」に圧倒的な影響を与えているのか。

それとも俺が場の「行かなきゃ感」に圧倒的に影響力がなさすぎるのか。


いずれにしても、なんかもう俺はいろいろ自信がないよ。

あと、一週間のうちで月曜日が一番ピンチという
普通の社会人にはあまりないスパイラルを、いいかげん抜け出したい。


TOKYO MXで今日から始まった『非公認戦隊アキバレンジャー』という番組。
去年、仮面ライダーのムック本の制作を手伝った縁で
『POPEYE』に紹介記事を書いたんだけど、なかなかおもしろげ。

本家のスーパー戦隊を「公認様」と呼んで憧れているヒーローが、
いつか自分たちも日曜朝8時に放映されることを目指して
秋葉原の悪と戦う、というメタフィクショナルな設定。

しかも、「敵幹部が『後は任せたわ』といった後は怪人の敗北フラグ」など、
スーパー戦隊シリーズのお約束に自己言及するような内容で、
しかもそれを本家の東映が作っているというセルフパロディがにくい。

この番組のムック作れないかなあ…
と思っていたら、もう出るんだってさ!

早いよ!

とりあえず、サブカル系雑誌の特集とかでやりたいす。
どなたか私にやらせてください。


そして、来年のNHKの朝ドラ脚本がクドカンとのこと。
これはよいニュース。何を差し置いても見なければ。


【4月10日(火)】
昨日から考え始めた書籍の企画案7本を、
夕方によーーーーーーーーーーーやく書き終えて先方に提出。

それから、ネットの記事をかろうじて1本。

仕事量、すっくねえええ。
いや、量っつうか、取れ高の少ない仕事に
そんなに時間かけてちゃだめだっつう話だ。

しかし、正直ひさしぶりに書籍の企画というものを立ててみたわけだが、
企画考えるのは楽しい。いかにも楽しい。
企画だけ考える仕事をしたい。

が、考えれば考えるほどにあらわになる残酷な真実。

それは、いかんせん自分には「著者」になれるような
企画がビタ一文ない、ということであって、思いつくのは
「この人の本が出したい」「あの人でこんな企画がやりたい」
という編集者目線での企画ばかり。

俺自身は本当にからっぽな人間なんだよ。

かといって俺に編集者の資質があるかっつったら、
それはもうファッキン・ネバー・ない!
むしろなさすぎて仕事に支障をきたすからフリーになったのに。

どうすりゃいいのさ!

道行く人の襟首つかんで聞いて回りたいよ、俺は。
「今は西暦何年ですか?」みたいな
タイムトラベラーみたいなテンションで、
「俺ってどうすりゃいいんですか?」って。

そんなことよりああた、
今日発売の『POPEYE』でもって、
編集部の人事異動にともない私の連載は最終回となり、
いったんPOPEYEからも離れることになってしまった。

なんというか、自分の努力不足のせいもあるとはいえ、
いろんな意味でキビしいよ、これからの俺は。

でも、2年間連載させてもらった恩は十分すぎるほど感じている。
このオンを、オフにしちゃあいけねえ。


今号では、古田新太さんへのインタビューも担当しております。
さすが百戦錬磨の舞台俳優、破天荒ででたらめで、でもものすごく頼れるアニキでした。

彼は「阿部サダヲ以降、映画やドラマで活躍できるような
スターが小劇場から出てきていない」と嘆いていた。

そういえば松尾スズキさんも「若手のおもしろい人材が、
演劇じゃなくてお笑いに流れて行ってしまう現状が悔しい」と言っていた。

たしかに、今の小劇場界の若手に、華のある人、お金の匂いがする人、
スキャンダルの匂いがする人って、誰もいないものな。

テレビでノブコブの吉村が、去年の年収を
900万だったとバラしてしまったそうだが、
そんなん聞いちゃったら、そりゃあ一夜にして夢をつかみたいと
思うヤマっ気のある奴は、芝居じゃなくて芸人目指すよ。

それに比べたら、演劇のすこぶる地味で冴えない貧乏くささは、
白シャツに付けてしまったカレーうどんの汁のごとく拭いがたい。

うーん、システムだなあ。
圧倒的にポップになれないシステムに
なっているのだろうなあ、今の演劇は。


【4月11日(水)】
丸美屋の「煮込み担々麺の素」というのが非常に重宝している。

ひき肉やタケノコ、きくらげなどが入った割と具沢山な
「担々」ソースにうどんをぶち込めば完成、という
気軽さもさることながら、2~3人分あるので必ずあまる。

あまるので、だし汁を足して雑炊にしてもよし、
そのままご飯と炒めてタコライスみたいな焼き飯にしてもよし、
うまくやりとりすれば3食分にはなるのですね。

汁を残して次の食事にまた使う。

言わずと知れた「残汁精神」なわけだが、
これ、もはや「残してる」と言えるのか?
「分けて使ってる」だけじゃないか?

なにやら「残汁」の定義が揺らいできたが、
残汁先生のtwitterアカウント(@zanjiru)は、
もっともっとブレイクしてほしいのである。

なにしろ、こちとら「岩下の新しょうが」の
社長からリプもらってますからね。

自社製品の残汁を、切干大根をもどしたり
肉に漬けて柔らかくするのに使っているらしい。
ユーザーから教えてもらったアイディアだそうだ。

なんかこれ、雑誌の記事になりませんかね。


明日、WALLOPの番組に出てもらうOnlyFreePaperの松江さんにメールを送り、
今日は某サイトのイベント情報記事のリサーチ。
これがまたえらく時間がかかり、原稿は1本で精一杯。

その他、ONCの企画がらみでオファーを出していた人から返信。
書籍の企画案の件でも1本リアクションあり。
どちらもよい方向に進んでくれたら、と切に願う。


飯食ってて、唇の裏を思いっきり噛んでしまったところが今、
口内炎に変わっていてべらぼうに痛い。

歯並びが悪いからよく犬歯で唇の内側を噛んでしまうんだけど、
マジでがっつり刺さるんだ、歯が、肉に。
「だ!」つったまま、しばらく声出なくなるよね。
いつか貫通させるんじゃないかとビクビクしている。

そしていま俺は、ものすごくどうでもいい話を
書いてるんではなかろうかという予感にもビクビクしている。


明日のWALLOPの台本を考えようと思った頃には夜の0時過ぎ。
結局なんにも進まずに寝てしまい、明日に持ち越し。

ナアアアアァァァァーーーーーー!

ツィゴンッンニャアアアアアアアアアァァァァーーーーーーー!!!


…あ、いきなり驚かせてごめん。
言葉にならない思いを叫びたいとき、たまにこうなるんだ。
人生にはしばしばそういう「ツィゴンニャータイム」が訪れる。

今日は、WALLOPの台本に手を付けられなかった
自分の不甲斐なさへの、ツィゴンニャーだ。

早く、ハクナ・マタタ!って感じになりたい。

もう、ハクナマタタ?
まだ、ハクナマタナイヨ!


【4月12日(木)】
昨夜は、レトルトのミートソースに、
豚肉と玉ねぎとえのき茸を加えて具だくさんにしたパスタを食べたが、
今朝は当然のごとく残しておいたその残汁をご飯の上にかけ、
チーズと卵を落としオーブンで温めてドリアに。

なんか文句あっか。
うめえっつの。うめえっつの。


WALLOPの進行台本、前回はガチガチに決めていったら
ぜんぜん収まらなかったので、今回はスッカスカに作ったのだが、
「雑誌への企画売り込み」と「フリーペーパーの企画提案」というコーナーの
ネタが家を出る段になっても決まっておらず、道行きで考えていく羽目に。

だからなあ……こういうことをしたくないんだけどなあ。
なんで間に合わないんだろうな俺は。


ま、本番までにネタは割といい感じに固まったのでOAはなんとかなったが、
なんとかならなかったことがひとつあって、それがゲストとの絡みだ。
アドリブトークの部分が、まあ盛り上がらない。

番組の中で私は、「売れない人をブレイクさせるテロリスト」という役で、
わりかし横柄な態度のキャラを演じており、その役作りのまま
ゲストと絡むのは微妙っちゃあ微妙なのだが、問題はそこじゃない。

俺はね、これはもうはっきり言うけど、
人の言ったことに乗っかるか、被せるかしないと
おもしろいことが言えないタイプのテロリストなんですわ。

相手が普通のことしか言わないときは、
普通の返ししかできないということがわかった。

放送的には事故を起こしたわけでもケガをしたわけでもないので、
はた目には何事もなく滞りない放送をしていたわけだが、
俺的には、というかONC的には「何事もない」というのは
「滞りある」ということなので、ある意味大いにケガをした。

ま、これはもう俺の人格というか、
持って生まれたコミュニケーション能力の低さなので、
これから修行していくしかないよ。

帰宅後、すんごい疲れてそのまま寝てしまった。

いかんせん、これから毎週続くことなので、
どうにかWALLOPに割く労力をもう少し軽減したいんだけどなあ。
とりあえず、構成考えるのに時間がかかりすぎるのをなんとかしたい。

そして、今日番組で話した「残り汁活用」を
どこか記事にさせてくれるところはないだろうか。

ま、実際やるとしたら「貧乏食」みたいなアプローチになるんだろうけど。
それで全然いいです。


【4月13日(金)】
北朝鮮が性懲りもなくミサイルを発射して、そして失敗。

Jアラートが鳴らなかったっつって騒いでいるが、
相変わらず俺の人生のJアラートは鳴りっぱなしだよ。

「何らかの飛翔体」っていう言い回しが妙に耳に残ったわけだが、
そんなこと言ったらあれよ、うちの部屋も生ゴミをしばらく
捨てないでおくと、何らかの飛翔体が飛んでいるよ。

空中で分離したと思ったら、交尾しているハエだったよ。


なんて、くだらないことを言ってるが、
本日の取れ高は、原稿1本と掲載先へのアポ入れ、
そして書籍の著者になってくれませんか?という打診メール。

本当に働いてないなあ、俺。
働いてないにもかかわらず、やることはある。
そして、やっぱり終わってない。

ONCのますらおでぶがこのたびめでたく結婚するということで、
その二次会で流す余興VTRの撮影を明日しなければならないのだが、
全然なんにも、ビタ一文できてない。

ナアアアアァァァァーーーーーー!

ツィゴンッンニャアアアアアアアアアァァァァーーーーーーー!!!

「ツィゴンニャータイム」のサイクルが早いよ。
クズだ、つくづく俺は。


テレビで『クレヨンしんちゃん』の映画をやっていて、
みさえが29歳だということにtwitterのTLが騒然となっていた。
『サザエさん』のアナゴさんが27歳と知ったときに次ぐショックだ。

まだ20代とか、まだ若いとか、「時期尚早」を武器にしていたのに、
あの頃「大人」だった人の年齢を、自分がどんどん追い越していき、
いつの間にか「時期焦燥」にシフトチェンジしていたこの衝撃。

そんなことにも軽く、ツィゴンニャアー…


【4月14日(土)】
朝、企画の打診をしていた著者候補の方から
「今はまだ難しい」とのメール。

いかにも残念だが、蒔いてすぐ芽の出る種なんかないのだと
自分に言い聞かせ、水をやって大事に花咲かせたいと願う次第。


で、今日はとにもかくにも
夜までにますらおでぶの結婚式二次会VTRの準備をしなければいけないのだが、
あれこれ手はずを考えているうちに、台本を作る段になって
結局、結婚する当人同士にいろいろ聞かないとできねえ、
ということに気付いた。

結局その質問用紙を作成し切れずに、結局これも道行きの電車の中で考えて、
結局、撮影場所である結局ONCメンバーのEGの家に結局着いてから結局書く羽目に。

結局結局なんなんだよ結局よお!

数日前、そんな「結局」な自分に嫌気が差したばかりのはずなんだけどなあああああ。

おかしいにゃああああああああ。

ツィゴンニャアアアアアアアア。

しかも、連絡ミスで大胆な失敗を犯してしまい、軽く死にたい気分に。


1日前だ。

せめて「1日前」にできていればいいことが、
すべて「1日遅れ」になっていることがすべての原因なんだ。

いつも、必ず、パーフェクトに、ちょっきり、1日分、追いついてない。

俺には、うるう日が必要なのかもしれない。
追いつかずにズレてしまった1日分を取り戻すための、辻褄合わせの日だ。

3月にも、4月にも、毎月もれなく2月29日があればいい。
そして、今年はぜひともうるう月が欲しい。
30歳になってしまう前に、うるう年も欲しい。

うるうー!
まだうるうー!
もっともっとうるうのー!
うるいてえよお!
うるわせてくれよお!

気分は駄々っ子だ。

あれかな、結婚前の人も、
「独身生活にうるう日が欲しい」って
憂鬱な気分になったりするのかな。

マリッジうるう。

そうだよ、ダジャレだよ!

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