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デリカシーの機微が問われる現代社会のさまざまな局面に、ぼんやりと警鐘を鳴らす無神経なコラム。

第15回 「僕のお尻は延暦寺」

第15回 僕のお尻は延暦寺


久しぶりのエマージェンシーです。
字の大きさで、「あ、エマージェンシーだな」と判断してください。

とにかく、仕事が思うさまカツカツであって、
そのカツカツっぷりを今、「カーツ大佐」をたとえに使って
表現しようと一瞬だけ思い、すぐに思い直した私であるが、

辛うじて「カーツ大佐と言わない」という瀬戸際の
ジャッジメントだけは正しく働いたものの、
放っておくとすぐにそういう安易な、

相武紗希で「おサキにどうぞ」みたいな(警視庁交通安全週間のポスター)、
吉岡美穂で「かけてみほ?」みたいな(アートネイチャーかなんかのCM)、
多部未華子で「食べてみかこ?」みたいな(そんなCMはない)、

きわめてコンビニ感覚の、温度のひくーい
ダジャレに逃げ込みたくなってしまうほどに、
私は今、キワッキワに追い詰められている。

それはもちろん、今週終えるべき仕事が
まだ全然終わっていないからだし、
徹夜したくせにそのぶん明け方寝てしまって
プラマイゼロで焦っているからで、

こうしてキーパンチしている間も私の表情は
ダチョウ倶楽部の竜ちゃんのように涙目だし、
キーパンチしている手も実際は猫パンチのように頼りなく、
状況はほとほとパニックだ。
ワニワニパニックだ。

……いや、ワニワニパニックじゃないよ。
それくらいの客観性はあるよ。

危機一髪って言葉があるでしょ。
ないもの。
俺と危機との間に、もはや
髪の毛一本ぶんのゆとりすらないもの。
危機剃髪ですよ。

今の俺に比べたら、黒ひげなんて
全然危機一髪じゃないからね。
なんなら代わってほしいよ、黒ひげと。
樽にはまってビクビクしてればいいんでしょ?
やるよ、やりたいよそんな牧歌的なリアクション芸ならむしろ。

こちとらさあ、尻に火がついてるのよ。
尻がボボボーボ・ボーボボなのよ。
俺のお尻に延暦寺あった?くらいの
ちょっとした焼き討ち状態だから、今。
尻に住まう僧兵たちがso hey!つって踊ってますから。
踊り狂ってワニワニパニックになってますから。

だから、ワニワニパニックではないよ。

少なくともパニックではないよ。

ワニワニだよ。


……今、「そっちかよ!」ってツッコんでくれた
人がいたら、俺、100歳まで長生き。



ごめん、今週はこれで勘弁してくれ。
だからといって来週はもっとワニワニパニックに
なっている可能性もあり、予断は許さない。
…ああ、もっとまんべんなく生きてぇよう。

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