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デリカシーの機微が問われる現代社会のさまざまな局面に、ぼんやりと警鐘を鳴らす無神経なコラム。

【はじめに】


【はじめに】
新年度なので心機一転、日記でも始めようと思う。

正直、今年の1月に一度「日記書こう」と思い立ってはいたのだが、
元日だけ書いてすぐに日々がバタバタとし始めてしまい、すみやかに挫折。

仕切り直して2月から始めようとしたら、今度はいきなりインフルエンザに
見舞われてガオってしまったため、日記どころじゃなくなり雲散霧消。

あ、ちなみに「ガオる」っていうのは小さい頃から父親がよく使っていた
言葉で、「病気で弱る、落ち込む」という意味の東北地方の方言なんだけど
(生粋の鎌倉育ちであるはずの父親がなんでそんなマイナーな方言の
ヘビーユーザーだったのかは少しく謎)、
あーれはまさしくガオった。大いにガオった。

かつては「福田最強説」とすら謳われた保険証いらずのこの私が、
さすがに平静を保てなくなって病院に駆け込んだくらいですからね。
さすがインフルエンザ、そりゃあ「病気界のアーネスト・ホースト」と
呼ばれるわけだよ。呼ばれてないよ。

で、2月の仕事のスケジュールをガッタガタに崩しながらなんとか
持ち直したのもつかの間、3月は3月で年度末の別れの季節なのであって、
人はなかなか「よーし、日記はじめよ」とは思わないわけですね。

3月がフミヤなら、日記を始めたいと思う気持ちは高杢、なんですよ。

そんなこんなで、気が付けばずるずると4月になってしまったわけだが、
4月に日記を始める理由というのは実はもうひとつあって、

えー、わたくしですね、
2年間続いた『POPEYE』の連載が、
この4月で終わってしまうことになりまして。

署名で自由に書かせてもらっていたコラムがなくなる、というのは
私のアイデンティティに大いなるぐらつきをもたらすのはもちろん、
収入的にもね、ひっじょおおおおおおにまずいことなんだ、これが。

「社会的な死」がリアルに俺の身に忍び寄ってるのよ。

だもんだから、俺は俺というライターをマジで真剣に
売り込んでいかなければならないのです。

ワタシハ、ココニイルヨ。

私はここにいて、かろうじてギリ生きてるよ、という生存報告と、
私はここにいて、血眼になって仕事を欲していますよという、
この世でライターに原稿を発注する権利を有するすべての編集者の皆様への存在アピールのために、
私はこうして日記をウェブに書きつけることに決めたのです。


しかし、webで日記というものを書き始めて早10年。
mixiだのブログだのサイトの連載だの、
あっち書いちゃやめ、こっち書いちゃやめ、
そのたびに一から始めるつもりで心を入れ替えるわけだが、
一向に続いた試しがない。

これはもう日記というものとは根本的に合わないのだと思うしかないだろう。
物事を続ける根気のない俺が織田裕二なら、毎日書かなきゃいけない日記は柳葉敏郎なんですよ。
俺と日記は同じ場面で共演しちゃNGなんですよ。

だから、せめてものエクスキューズとして、
1週間分の日記を週1回、更新するスタイルにしようと思う。
これなら、ズルして1週間分まとめて書いても、表向きはセーフだ。

現に、4月1日から始まるこの日記も、書いているのはいけしゃあしゃあと8日なわけで。

もうね、最終的な辻褄だけあってればそれでよし、ということにしてくれませんかね、俺の人生全般において。
でないと、追いつけないんだ、マジで。

時間は、どうしていつも俺の先を行ってしまうんだろう。
今日は昨日の借りを返すためにあり、明日は今日に貸しを作るためにある。
そんな毎日、俺だって嫌だが、追いつかないんだからしょうがない。

いつかは追いついて、人生の辻褄を合わせたいが、
とりあえず、福田は今日も追いついてないです。

よろしくお願いいたします。

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