- 2009.02.11 Wednesday
- 新しいむかしばなし > 桃太郎+官能小説(新しいむかしばなし第1シリーズ)
「ヨッ、桃から生まれた桃太郎!!」
と声をかけられれば、ニヤニヤしながら「へぇそうでやんす」と答えるほかない自らの宿命に、桃太郎(4)は、嫌気が差していた。
だから鬼退治に行くことにした。
早速その旨をでんじろうとふじこに告げると、彼らは驚くやら喜ぶやら腰は抜かすわその拍子に色んな指を骨折するわでてんやわんやそのものだったが、どこから引っ張り出したのか、あか抜けない随所に桃がプリントされた装束一式と、「日本一」とヨレヨレの字ででんじろうが書いたのぼりを用意した。
だせーと思った。
しごく単純な話であるが、普通の人間であれば16歳~20歳くらいの年齢にあたる桃太郎にとって、「イケてない」と言うのは万死に値した。
やっぱりだせー
そう改めて思ったのは峠を越えようと山道に入り、最初の休憩をとった時のことだった。
ふじこが「道中に食うのだよ」と渡してきた包みを戯れに開いてみたら、中から出てきたのはきびだんごである。
昨日のおやつじゃねえか。
桃太郎にとっては、喉も渇く道中で表面にかようにたっぷりときびの粉がまぶしてあるこんなものをほおばるなんてのは、まじありえないことで、つうかそもそも桃太郎は桃から生まれた割には甘いものが嫌いだった。
そんな折。
大きめの犬だか狼だかを連れた、髪はこざっぱりとしたショートカットで、顔に赤いペイントと大きめのイヤリングをつけた少女が現れた。
桃太郎は直感した。
この娘は桃太郎に恋をしている、と。
それが高じてエロエロしい気持ちでここに出てきたのだ、と。
こうなったら桃太郎の妄想は加速するばかりであった。
ちなみにそのエロファンタジーはこんな内容である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
生まれてこの方ずっと山で獣たちと育ってきた少女ザン(推定17)は、同世代のどんな娘たちよりも猛々しく荒々しい、高枝切りバサミでヘアカットするような、まあそういう女だった。
だから「峠の山道」というこのシチュエーションは、彼女との攻防にはうってつけと言えたし、桃太郎は桃から生まれた割には気性の荒い方だったので、相手に不足なしといった所だった。
巨犬の遠吠えがゴング代わりとなった。
桃太郎はザンのまわしにまず右手をかけた。
次に左手を突き出し、両差しの形を取ろうとするがザンが繰り出したのはなんとローキックによる金的である。
執拗なまでのローブローの連続に、すぐさまコーナーに追いやられた桃太郎はたまらずクリンチ、からのテイクダウンを狙うが、グレコローマンなザンによるシャイニングウィザードからのスモールパッケージホールドにフォール寸前まで追い詰められ、たまらず白いアレを出そうとしつつも、「なんだかヌルヌルするよヌルヌルするんだよ」といった抗議が受け入れられることもなく、やや不正の臭いもする束の間の猪木・アリ状態を経て、地獄車や三角絞めといった古式ゆかしい技で攻められるうちヌルヌルもいつしか快感になり、よく分からないうちにレフェリーストップによるTKO負けを喫していた。
桃太郎は思った。
後ろ手にフリル付ブラジャーのホックを留めるザンの方がよっぽど鬼らしく、鬼退治などただの絵空事だったんじゃないか、と。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
というようなものである。
そんな妄想に身震いしているうちに娘はどこかに消えていて、気付けば桃太郎はすっかり裸だった。
女山賊に襲われているショックを、エロファンタジーに自ら変換して紛らわせていたと考えることも出来るだろう。
その場に残されたのは、ださい装束とのぼりと・・・・その辺に転がってるきびだんごに群がる小動物たち。
桃太郎は考えるのも嫌だったので、その小動物たちを「ショー」と「ロン」と「ポー」と名付けた。
桃太郎が、困ったらこいつらを食料に、と思っていたのは言うまでもない。
続く
と声をかけられれば、ニヤニヤしながら「へぇそうでやんす」と答えるほかない自らの宿命に、桃太郎(4)は、嫌気が差していた。
だから鬼退治に行くことにした。
早速その旨をでんじろうとふじこに告げると、彼らは驚くやら喜ぶやら腰は抜かすわその拍子に色んな指を骨折するわでてんやわんやそのものだったが、どこから引っ張り出したのか、あか抜けない随所に桃がプリントされた装束一式と、「日本一」とヨレヨレの字ででんじろうが書いたのぼりを用意した。
だせーと思った。
しごく単純な話であるが、普通の人間であれば16歳~20歳くらいの年齢にあたる桃太郎にとって、「イケてない」と言うのは万死に値した。
やっぱりだせー
そう改めて思ったのは峠を越えようと山道に入り、最初の休憩をとった時のことだった。
ふじこが「道中に食うのだよ」と渡してきた包みを戯れに開いてみたら、中から出てきたのはきびだんごである。
昨日のおやつじゃねえか。
桃太郎にとっては、喉も渇く道中で表面にかようにたっぷりときびの粉がまぶしてあるこんなものをほおばるなんてのは、まじありえないことで、つうかそもそも桃太郎は桃から生まれた割には甘いものが嫌いだった。
そんな折。
大きめの犬だか狼だかを連れた、髪はこざっぱりとしたショートカットで、顔に赤いペイントと大きめのイヤリングをつけた少女が現れた。
桃太郎は直感した。
この娘は桃太郎に恋をしている、と。
それが高じてエロエロしい気持ちでここに出てきたのだ、と。
こうなったら桃太郎の妄想は加速するばかりであった。
ちなみにそのエロファンタジーはこんな内容である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
生まれてこの方ずっと山で獣たちと育ってきた少女ザン(推定17)は、同世代のどんな娘たちよりも猛々しく荒々しい、高枝切りバサミでヘアカットするような、まあそういう女だった。
だから「峠の山道」というこのシチュエーションは、彼女との攻防にはうってつけと言えたし、桃太郎は桃から生まれた割には気性の荒い方だったので、相手に不足なしといった所だった。
巨犬の遠吠えがゴング代わりとなった。
桃太郎はザンのまわしにまず右手をかけた。
次に左手を突き出し、両差しの形を取ろうとするがザンが繰り出したのはなんとローキックによる金的である。
執拗なまでのローブローの連続に、すぐさまコーナーに追いやられた桃太郎はたまらずクリンチ、からのテイクダウンを狙うが、グレコローマンなザンによるシャイニングウィザードからのスモールパッケージホールドにフォール寸前まで追い詰められ、たまらず白いアレを出そうとしつつも、「なんだかヌルヌルするよヌルヌルするんだよ」といった抗議が受け入れられることもなく、やや不正の臭いもする束の間の猪木・アリ状態を経て、地獄車や三角絞めといった古式ゆかしい技で攻められるうちヌルヌルもいつしか快感になり、よく分からないうちにレフェリーストップによるTKO負けを喫していた。
桃太郎は思った。
後ろ手にフリル付ブラジャーのホックを留めるザンの方がよっぽど鬼らしく、鬼退治などただの絵空事だったんじゃないか、と。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
というようなものである。
そんな妄想に身震いしているうちに娘はどこかに消えていて、気付けば桃太郎はすっかり裸だった。
女山賊に襲われているショックを、エロファンタジーに自ら変換して紛らわせていたと考えることも出来るだろう。
その場に残されたのは、ださい装束とのぼりと・・・・その辺に転がってるきびだんごに群がる小動物たち。
桃太郎は考えるのも嫌だったので、その小動物たちを「ショー」と「ロン」と「ポー」と名付けた。
桃太郎が、困ったらこいつらを食料に、と思っていたのは言うまでもない。
続く
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