- 2009.02.25 Wednesday
- 新しいむかしばなし > 桃太郎+官能小説(新しいむかしばなし第1シリーズ)
赤鬼(1036)は、その日もこれまでの毎日と全く同じ朝が来、やがてこれまでの毎日と全く同じ夜が来るものだと、そう思っていた。
そもそも、鬼退治、と言えばなんだか聞こえはいいが、要するにそれは人種差別である。
人を見た目で判断し、肌の色で人間の価値を決める。
これをアパルトヘイトと呼ばずに何と呼ぼうか。
腹立たしいのはやまやまだが、ひとつ問題があった。
・・・タイプだった。
桃太郎イズマイライフ。
とか、赤鬼が考えてたとは露知らず、桃太郎一行は、鬼を、ズタズタにして殺した。
その模様をダイジェストで伝えると、大体こんな感じである。
桃太郎はまず、赤鬼の胸元に、何となく丁度良いような気がして、ロン(キジ)を投げつけた。
ロンはついばんだ。
夢中でついばんだ。
次に自主的に向かって行ったのは、血の気の多い性格でおなじみのポー(サル)である。
背中をひっかいた。
やたらとひっかいた。
最後に嫌々突っ込んでいったのは、実は既にその体が不治の病に冒されているショー(イヌ)である。
後ろから首をかんだ。
ただかんだ。
桃太郎はとどめに、家から持ってきたけど一度も使ってないからちょっとさびてる刺身包丁を、もうほとんど息も絶え絶えの赤鬼の下腹部につきたてた。
ズブブブッ、と言う音だけがやにわに響いていた。
大体こんなのである。
だが、赤鬼にとっては、ちょっとしたエロパラダイスだった。
赤鬼目線でもう一度、プレイバック。
胸元への鋭いついばみは彼の乳頭温泉をビンビンに湧き立て、背中への爪を立てたる愛撫は彼の一角獣、すなわちユニコーンをより屈強にけたたましくしたのだし、首元への強かなるギャートルズ的な肉を思わせるかぶりつきは、足元が、ていうかそこら一帯が、頸動脈からドバドバ出た血で、ビタビタになっていたけれど、誰にも渡したくないよお前をという気持ちで、キムタクで言う所の「俺じゃダメか」的な、そういうつまりはあすなろ白書だった。
そして何より、タイプのゴリゴリ眉太ヤングマンにちょっと鋭利な金棒で、下腹部をズブリズブリと刺される最高のフィニッシュホールドには、二つの意味で昇天するしかなかったのだった。
こうして鬼は死んだ。
桃太郎は思い切りよく、手分けをして、鬼の首を切り取って、記念に持ち帰ることにした。
帰るまでにまた多くの時間を要したので、鬼の首には蛆が、引くほどわいちゃあいたが、そもそも土に帰るのかどうかも微妙だったので、我慢した。
無事、帰宅。
ただ、桃太郎が「ああ人生っていろいろ」と思ったのは、家に帰るとでんじろうとふじこと誰だか知らない汚いでかい男が、誰がどう見ても争った形跡をそこかしこに残して、コッテリ血まみれで、もつれるように死んでいたことだ。
ハエがたかっていた。
ハエがたかっているそれと、ウジがわいた鬼の首とぐちょぐちょに腐りきってる犬の死骸(だいぶ前に病死)を抱え帰って来た桃太郎は、それをそれの隣に置いて、それらを横目に、隣で、久々に布団を敷いてぐっすりと眠った。
いろいろと面倒なことはすべて先送りにして。
その夜、桃太郎は7歳になった。
普通の人間でいえば、30歳そこそこと言ったところである。
はい、めでたしめでたし
そもそも、鬼退治、と言えばなんだか聞こえはいいが、要するにそれは人種差別である。
人を見た目で判断し、肌の色で人間の価値を決める。
これをアパルトヘイトと呼ばずに何と呼ぼうか。
腹立たしいのはやまやまだが、ひとつ問題があった。
・・・タイプだった。
桃太郎イズマイライフ。
とか、赤鬼が考えてたとは露知らず、桃太郎一行は、鬼を、ズタズタにして殺した。
その模様をダイジェストで伝えると、大体こんな感じである。
桃太郎はまず、赤鬼の胸元に、何となく丁度良いような気がして、ロン(キジ)を投げつけた。
ロンはついばんだ。
夢中でついばんだ。
次に自主的に向かって行ったのは、血の気の多い性格でおなじみのポー(サル)である。
背中をひっかいた。
やたらとひっかいた。
最後に嫌々突っ込んでいったのは、実は既にその体が不治の病に冒されているショー(イヌ)である。
後ろから首をかんだ。
ただかんだ。
桃太郎はとどめに、家から持ってきたけど一度も使ってないからちょっとさびてる刺身包丁を、もうほとんど息も絶え絶えの赤鬼の下腹部につきたてた。
ズブブブッ、と言う音だけがやにわに響いていた。
大体こんなのである。
だが、赤鬼にとっては、ちょっとしたエロパラダイスだった。
赤鬼目線でもう一度、プレイバック。
胸元への鋭いついばみは彼の乳頭温泉をビンビンに湧き立て、背中への爪を立てたる愛撫は彼の一角獣、すなわちユニコーンをより屈強にけたたましくしたのだし、首元への強かなるギャートルズ的な肉を思わせるかぶりつきは、足元が、ていうかそこら一帯が、頸動脈からドバドバ出た血で、ビタビタになっていたけれど、誰にも渡したくないよお前をという気持ちで、キムタクで言う所の「俺じゃダメか」的な、そういうつまりはあすなろ白書だった。
そして何より、タイプのゴリゴリ眉太ヤングマンにちょっと鋭利な金棒で、下腹部をズブリズブリと刺される最高のフィニッシュホールドには、二つの意味で昇天するしかなかったのだった。
こうして鬼は死んだ。
桃太郎は思い切りよく、手分けをして、鬼の首を切り取って、記念に持ち帰ることにした。
帰るまでにまた多くの時間を要したので、鬼の首には蛆が、引くほどわいちゃあいたが、そもそも土に帰るのかどうかも微妙だったので、我慢した。
無事、帰宅。
ただ、桃太郎が「ああ人生っていろいろ」と思ったのは、家に帰るとでんじろうとふじこと誰だか知らない汚いでかい男が、誰がどう見ても争った形跡をそこかしこに残して、コッテリ血まみれで、もつれるように死んでいたことだ。
ハエがたかっていた。
ハエがたかっているそれと、ウジがわいた鬼の首とぐちょぐちょに腐りきってる犬の死骸(だいぶ前に病死)を抱え帰って来た桃太郎は、それをそれの隣に置いて、それらを横目に、隣で、久々に布団を敷いてぐっすりと眠った。
いろいろと面倒なことはすべて先送りにして。
その夜、桃太郎は7歳になった。
普通の人間でいえば、30歳そこそこと言ったところである。
はい、めでたしめでたし
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