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vol.5 『ダロウェイ夫人』×キュリー夫人

きゅりー夫人.pngだろうぇい夫人.jpg

キュリー夫人です。長年「ウム」の研究をしてまして、ラジウムとかポロニウムとかを発見しました。そう、「ウム」にもいろいろあるんですよ。最近イケてる「ウム」の中にはレウコクロリディウム(※1)なんていうのもあるらしいですね。やっぱり「ウム」の世界は奥深いです。

そうそう、それで私のことなんですけど、ご存じのように私って夫人なのね。で、夫人業界の動向ってやっぱり気になるなーなんて、私も夫人代表だしなーなんて、そんな感じで、ウム研究の合間に、「夫人モノ」の研究も始めました。

最初に手をつけたのはこれね。『ダロウェイ夫人』(ヴァージニア・ウルフ著)。群像劇でね、あんまり「夫人業界の動向」がわかるようなたぐいのものじゃなかったんですけど、とりあえずダロウェイ夫人が、旦那のことを若干退屈に感じてることはわかりました。昔の男――結局は結婚しなかった、ちょい遊び人な昔の男とのほうがアツい恋愛してたなーって、ふと思っちゃうんだよね。わっかる! しかもダロウェイ夫人、その昔の男よりさらにアツかったのが思春期のころの女友達への片想いらしいのよね。あ~これもわっかるなー! このくらいの時期って、あるよね百合傾向! なんか共感しちゃいました。

次に読んだのは『エマニエル夫人』(エマニュエル・アルサン著)。エマニエル夫人も「夫、退屈」ってなってました。異国バンコクでの夫との暮らしがけっこうつまんなかったらしくって、「性の儀式」にハマってらしたわ。まぁねー、やること何もなかったら、とりあえずエロを掘り下げますよね。人間だもの。うんうん、エマニエル夫人、わかるー。

さらに読みました、『チャタレイ夫人の恋人』(D・H・ローレンス著)。あ、あれ、あなたも夫が不満? そっかー、まぁねー、夫人だって女ですものねー。不倫相手はムサい森番の男かぁ。高貴な夫人ほど労働者階級の男の汗のニオイに弱いものですよねー。汚れる快感っていうかさ、「あぁ私、夫人なのに! 夫人なのにぃ……!」っていうあの感じでしょ? やっだちょっとわかる! あるよねー!

そういうわけで、夫人業界全体の動向としては「夫つまんない→エロ探求」っていうのが総じてトレンドのようでした。んー、なんか、共感しきりかもー。人妻好きの男って一定数いるじゃないですか。あれってマザコンか何かじゃないのーキモーなんて今まで思ってましたけど、夫人側にも原因があるんですね。夫人、みんな率先してエロいですものね。

私も夫人代表ですし、今後は有名夫人の皆さんを見習って、本業のウム研究にもエロ要素を取り入れていこうと思っています。たとえばレウコクロリディウムの研究を深めて、男根が虹色に輝きながらぐるんぐるんする「ウム」を開発するなんてどうかしら。夫婦生活のマンネリ解消に貢献したということで、3度目のノーベル賞狙えるかもしれませんよね。


※1:レウコクロリディウム↓




キュリー夫人(嘉川轟子)


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