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いろいろなおとなのおもちゃを手作りして、できあがったゴミをネットオークションに出品。夜のDIY精神で世界に平和を、僕に収入をもたらすべく奔走する、エコ&エロなチャレンジの記録。

番外編/贋作・MSTの朝霧jamでイイ仲に大作戦(最終回)

登場人物


gansaku.jpg←たなか贋作
29歳オス。朝霧Jam2週間前に彼女に別離を告げられ、傷心のまま、よりによって一番キライな男・MSTを彼女の代わりとして朝霧に誘う。仮性包茎。


mst.jpg←MST
28歳オス。「傷心のたなかを癒してやろう」とかほざく軽薄大魔神。基本的に上から目線、謝らない、「結局●●ってのは◆◆だよね」みたいなまとめコメントしたがる、など僕の神経を逆撫でする天才。仮性包茎。





はてさて、楽しかった朝霧もライブが全て終わって、後はテントに帰って眠って起きて帰るのみ。
多幸感の混じった疲労と酔いを抱え、僕とMSTはおねむの準備をして、いそいそと(別々の)シュラフに潜り込む。


いやあ楽しかったね朝霧Jam。
それじゃあおやすみ、






で終わるわけにはいかないんだな、これが。







gansaku.jpg「しかしまあ楽しかったな、朝霧」



mst.jpg「うん、で、寝ないの?」


gansaku.jpg「バカこれからだろ朝霧の夜は」




※以下、朝霧のレビューでも何でもない、ただのアラサーおっさんふたりのグータン●ーボ的な対話です。




gansaku.jpg「で、だ」



mst.jpg「何」




gansaku.jpg「いいもんだろ、朝霧Jam」



mst.jpg「そうね、みんなフェスの楽しみ方を知ってる大人って感じで、すげー心地よかった」




gansaku.jpg「そうだろそうだろ、R●Jみたいな厨二ばっかのフェスとはワケがちがうだろ」



mst.jpg「そうだね」




gansaku.jpg「僕はねMSTくん、本当なら今頃あのコとこうやってキャッキャウフフとフェスの感想を語り合っていたはずなんだよ」



mst.jpg「悪かったね俺で」




gansaku.jpg「そうなのだよ、よりによって君なのだよ、いま、僕がひとつのテントで眠る相手は。最悪だよ」



mst.jpg「このタイミングでそんなひどいこと言うなよ」




gansaku.jpg「黙れ小僧。君だってできることならキャワイイナオンチャンと一緒の方がいいだろうに」



mst.jpg「そら、まあそうだけど」




gansaku.jpg「だのに君ときたら、合コンに明け暮れながらお付き合いはおろか、一夜のロマンスにすらありつけない体たらく」



mst.jpg「………」



gansaku.jpg「本当のところはどうなんだね?ん?実は結構パコパコやってんじゃないのかね?」



mst.jpg「ホントに何にもないんだよ」




gansaku.jpg「……童貞?」



mst.jpg「いや、童貞じゃない!」




gansaku.jpg「何年ご無沙汰?」



mst.jpg「指折り数えて片手が埋まる」



gansaku.jpg「それはもう童貞だよ。お口の恋人はロッテ、右手の恋人はおちんちん、それがMST」



mst.jpg「……」



gansaku.jpg「黙るなよ。僕だって…似たようなもんだ」



mst.jpg「…?」


朝霧の闇夜は、人を、少しだけ素直にしてくれるみたいだ。



gansaku.jpg
「ふられてさ、ヤケおこしてさ、でもずーっと引きずってさ。昼間も彼女がくれた指輪、朝霧の風景をバックに写真撮ったりしてさ。童貞丸出しだよ。今でもオカズはあm」



mst.jpg「わかったもういい黙れ喋るな」







遠くで酔っぱらいたちがOasisの「Don't look back in anger」を大合唱している。




mst.jpg「…俺だって」



MSTもまた、心を縛る鎖が少し緩んでいた。





mst.jpg「俺だってそりゃパコパコだのお付き合いだのしたいよ、でも、だめなんだよ、全然」



gansaku.jpg「何がさ」



mst.jpg「気の合うコとアドレス交換してさ、ふたりで会って映画観たり酒のんだりしてきたよ。でも、そこまでいくと、何か、こう、しぼんじゃうんだよね」



gansaku.jpg「…EG?」



mst.jpg「それはうちのメンバー。勃起するとかしないとかじゃないんだ。気持ちが乗らないんだよ、ああ、もういいかな、ってなっちゃうんだ」



gansaku.jpg「でもふたりっきりで酒のんで恋バナとかするんだろ?もう一押しでとりあえず挿入くらいできるんじゃねえの?」



mst.jpg「うん、多分頑張れば、ね」



gansaku.jpg「…童貞?」



mst.jpg
「確かにそうかもしれない。怖がってるのかもな、もうヤリ方も忘れかけてるし。だからさ、そうそう軽い感じでベッドまでもっていけないんだよ、関係を。本気の本気で好きになったら、踏み込む決心がつくのかも」







gansaku.jpg「…童貞めww寝るぞ、おやすみ」








mst.jpg「ああ、おやすみ」







今まで面白みの欠片もない薄っぺらのゴミクソ野郎だとばっかり思っていたMSTの、実は繊細で純粋な一面(≒童貞)を垣間見て、
僕の中にあったの苛立ち・嫌悪感の氷塊はゆっくりと融解していった。



彼に対する柔らかな親愛の情が、芽生え始めていた。





翌朝。








asagiri026.jpg
びっくりするほどいい天気。



まばらになったテント群に祭りの後の寂しさを感じつつ、僕らもそそくさと撤収作業に入る。





asagiri027.jpg

この期に及んでバッチリな富士山が姿を見せる。
思わず手を合わせて拝んでしまった。







asagiri028.jpg
ステージ前も撤収作業真っ最中。
また、来年。

さあ、新宿駅直行バスに乗り込む時間だ。












むろん彼女と別れたのは悲しいことだけど、
それでも僕、お前と来てよかったよ、
ありがとな、朝霧。
ありがとな、MST。


そんな気持ちなのだけど、
ただ握手を求めるのが気恥ずかしくって、



gansaku.jpg「なあ、ミンティア、食べる?」






asagiri029.jpg
「あ?イラネ」









ああやっぱ僕、こいつ嫌いだわ。











お し ま い






















お ま け





asagiri031.jpg

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